新型コロナより怖い、老人抹殺社会の現実が忍び寄ってきている。「老人はもう長生きしない。なぜなら、老人を殺してもおかしくない社会になっているからだ」――。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が明かす、驚愕の事実。超高齢化社会ニッポンが抱える問題点を明らかにする。本連載は小嶋勝利著『もはや老人はいらない!』(ビジネス社)から一部を抜粋、編集したものです。

なぜ必要のない介護サービスにお金を払うのか

以前、私の老人ホームに派遣の看護師がやって来ましたが、入居者の胃瘻を見て、「生まれて初めて胃瘻というものを見ました」となかば感動をしていました。ちなみに、この看護師は、長年、地元のクリニックに勤務していました。それでも胃瘻などという重症な高齢者(患者)の対応など、今までしたことがないと言っていました。

 

小嶋勝利著『もはや老人はいらない』(ビジネス社)
小嶋勝利著『もはや老人はいらない』(ビジネス社)

結局、この看護師は数カ月でホームを退職していきました。退職理由は、老人ホームは病院と違い重篤な患者はいないと考えていたが実際は重症な高齢者ばかりで、自分のスキルでは対応できませんというものでした。

 

実に不思議な出来事でした。なぜなら私たち介護職員が日々、果敢に目の前の高齢者と対峙しているにもかかわらず、看護師の資格を持っている者が「私にはできません」と言って去っていくのですから。現実はこんなものです。

 

老人ホームは必要に応じて住み替えることが重要。
終の棲家の言葉に騙されてはダメ

 

24時間看護師常駐と同じレベルで考えなければならないのは、必要のない介護サービスに金を使うところです。

 

私は、自立の高齢者は自立用の老人ホームに入居をすることを提唱しています。しかし多くの入居希望者は自分が要介護状態になった時のことまで考えて、ホーム選びを検討しています。この行動は私に言わせると「ナンセンス」です。無駄です。

 

老人ホーム選びで一番重要なことは、今の最適を考えればよいということです。このように言うと、介護の専門家の多くから「おまえは何を馬鹿なことを言っているのか?」「要介護状態になった時のことを考えて老人ホーム選びをするのが常識ではないか?」と言われます。

 

しかし私に言わせれば、そのような人は、老人ホームのことを知らない人です。以下、私の論を記しておきます。

 

まず自立の高齢者が数年先に来るかもしれない自分の要介護状態に備え、安心のために要介護高齢者が大勢入居している老人ホームに入居したとしましょう。その老人ホームでは、要介護高齢者に対する介護支援を中心とした老人ホーム運営フォーメーションになっていて、要介護高齢者にとっては安心安全な運営になっています。

 

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