子育ての新常識…妊娠中「本当に避けるべき」NG食品、5つ

わが子には健康でかしこく育ってほしいもの。最適な子育てをするにはどうすればよいのでしょうか? 医学的・科学的な根拠に基づいて解説し、明日から実践できる具体策を紹介。※本連載は、医師、Child Health Laboratory代表の森田麻里子氏の著書『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』(光文社)より一部を抜粋・再編集したものです。

流産につながることも…生モノに潜む「リステリア菌」

たとえば、妊娠中に注意するべき食中毒として、リステリア菌の食中毒があります。

 

リステリア菌は河川や動物など環境中に普通に存在する菌ですが、妊娠中にリステリア菌に感染すると、流産につながったり、赤ちゃんが感染して敗血症となってしまったりすることもあります。重要なのは、妊娠中は普通の人よりおよそ20倍リステリア菌の食中毒にかかりやすくなるということです※1。2004年から2009年にかけてのアメリカのデータを用いた調査では、妊娠中は妊娠していない場合に比べて、感染リスク114.6倍になるという結果も発表されています※2。リステリアは加熱により殺菌することができますが、塩漬けの食品や、冷蔵庫の中でも繁殖できるという特徴があり、注意が必要です。海外では、特に加熱殺菌していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンでの食中毒の報告が多いようです。これらの食品は、妊娠中は避けたほうがいいでしょう。

 

実は、リステリア菌は生野菜や果物にもいます。アメリカでは2011年にメロンを原因としたリステリア菌の食中毒が発生し、33人が死亡しています※3。2018年のアメリカ食品医薬品局の報告では、アメリカ国内生産や輸入品のアボカドのうち、18%で皮にリステリア菌が付着していたことがわかっています※4

 

しかし、日本ではリステリアによる食中毒の報告はこれまでありません。妊娠中に生ハムを食べなくても生活に支障はきたさないと思いますが、生野菜や果物を食べないとなると支障が大きいですよね。生野菜や果物を食べることは栄養的なメリットも大きいので、現状ではこれらを避ける必要はないと思います。ただし、妊娠中は特に、よく洗って使うようにしてください。

 

チーズ類に関しては、プロセスチーズは加熱されて作られているので、問題ありません。輸入品のナチュラルチーズを加熱せずに食べるのは避けたほうがいいと思いますが、日本で製造されているカマンベールチーズなどは、加熱殺菌して製造されているものも多いようです。私はチーズが大好きなので、加熱殺菌されているものを調べて食べていました。メーカーや時期によっても変わる可能性がありますので、気になる方はメーカーなどにご確認ください。

赤ちゃんの目や脳に重大な影響を与える、身近な寄生虫

また、もう一つ注意したいのが、トキソプラズマ症です。トキソプラズマは一つの細胞だけでできている小さな寄生虫で、主に豚や羊などの肉、そして土や猫の糞などに存在しています。健康な人が感染しても問題ありませんが、妊娠中にはじめてトキソプラズマに感染すると、先天性トキソプラズマ症といって、流産につながったり、赤ちゃんの眼や脳に障害が出たりすることがあります。これまでの報告では、妊娠中に焼き肉店へ行って加熱が不十分な肉を食べたり、果物狩りに出かけたりしたことが原因と推定されるケースがあるようです。

 

トキソプラズマは67度以上まで加熱しないと殺菌できません。ローストビーフ、レアステーキなど、加熱が不十分な肉を食べるのは、避けましょう。牛は感染リスクが低いという意見もありますが、日本でも6.5%の牛が感染しているかもしれないという報告もあり※5、牛肉なら大丈夫とは言い切れません。感染した場合の結果が重大であることを考えると、あえて妊娠中に食べる必要はないと思います。食物以外からの感染を防ぐために、猫のトイレ掃除はできるだけ避け、土に触れる際は手袋・マスクを着用することも大切です。リステリア感染の予防と同様に、野菜や果物はよく洗って食べましょう。

 

逆にいえば、これら5つの食品以外は、重大な病気になるリスクが非常に高いとまではいえません。お刺身・生卵などは、たしかに加熱した食材より食中毒のリスクは高いですが、絶対にダメとは言い切れないと思います。私は妊娠中、魚介類がおいしい地域に住んでいました。アニサキス症のリスクが高いしめ鯖やアジ、イカのお刺身、またノロウイルスのリスクがある生牡蠣は避けましたが、それ以外のお刺身はときどき食べていました。

 

よい食生活はとても大切ですが、ただでさえストレスのかかる妊娠中に、してはいけないことばかり多いと参ってしまいます。本当にダメなものが何なのか、ポイントを押さえて妊娠生活も楽しみたいですね。

 

【出典】

※1 WHO. Listeriosis [https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/listeriosis]

 

※2 Pouillot R, Hoelzer K, Jackson KA, Henao OL, Silk BJ. Relative risk of listeriosis in Foodborne Diseases Active Surveillance Network(FoodNet)sites according to age, pregnancy, and ethnicity. Clin Infect Dis. 2012 Jun;54 Suppl 5:S405-10.

 

※3 CDC. Listeria [https://www.cdc.gov/listeria/outbreaks/index.html]

 

※4 Administration US FaD. FDA Releases Reports on Avocado and Hot Pepper Sampling.

 

※5 松尾加代子,釜井莉佳,後藤判友,高島康弘,永宗喜三郎.生食ブームに潜むリスク:食肉のトキソプラズマ汚染の実態
 

 

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森田 麻里子

医師

Child Health Laboratory 代表

 

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医師
Child Health Laboratory 代表
昭和大学病院附属東病院睡眠医療センター 非常勤医師
 

1987年、東京都生まれ。2012年、東京大学医学部医学科卒業。

自身が子どもの夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究のリサーチを始め、赤ちゃんの健康をサポートする「Child Health Laboratory」を設立。

著者紹介

連載東大医学部卒のママ医師が解説!科学的に正しい子育て

東大医学部卒ママ医師が伝える 科学的に正しい子育て

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森田 麻里子

光文社

東京大学医学部卒、ママとしても奮闘中の医師が、世界の最新研究をリサーチして生まれた「使える」育児書。 「妊娠中は結局何を食べればいい?」 「哺乳瓶は消毒しないといけない?」 「子どもの睡眠時間はどのくらい必要…

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