いつの時代もなくならない相続トラブル。本記事では、被相続人が生前対策を怠った結果、大切にしていたものが思わぬ方法で処分されてしまったケースを見ていきましょう。『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、再編集して紹介します。

価値ある「資産」が「遺品」になってしまう前に

■生前整理することの大切さ

 

生前にご自身の遺産整理をしておくことによって、それを引き継いだご家族が、後になって処分するのに苦労したり、今お伝えしたような被害に遭って嫌な思いをしたりすることがなくなります。そしてまた、相続の場面で起こりがちな争いの種を減らすことにもつながります。実際、ご遺族が高価な遺品を奪い合い、揉めて収拾がつかない状態になってしまったケースを私はこれまで見てきました。

 

そして何より想像してみていただきたいのは、あなたがずっと大切にしてきた価値のあるモノ、それがもし、自分がいなくなったらどうなるのかということです。自分にとって思い入れのあるモノが、その価値を適正に認められないまま不当に処分されたり、あるいはそうした価値のあるモノを遺したがために、相続争いを引き起こすことになってしまったり……。いずれも可能性がないとは言い切れないのです。

 

相続が発生し、そのご遺品がどのように扱われるのかというのは、とても大切なことです。今お持ちの価値ある「資産」が「遺品」になってしまう前に、それらをどうしたいのか考え、売る、売らないにかかわらず、ご家族にその価値を伝えておく、あるいは、あなた自身がその価値を把握するなど、きちっと整理しておかれることを強くお勧めします。

 

そして、売るか売らないかの判断についてですが、もし、そのお品物を本当に受け継ぎたいと思い、大切にしてくれるご家族がいらっしゃるのであれば、継承されることに賛成です。しかし、そうでない場合には、本当に必要な方へと価値を交換する形で「売却」されるというのも、一つの選択肢だと思います。

 

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本記事は、2017年9月22日刊行の書籍『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

円満相続をかなえる本

円満相続をかなえる本

石川 宗徳,森田 努,島根 猛,佐藤 良久,近藤 俊之,幾島 光子

幻冬舎メディアコンサルティング

「対策が難しい相続」に悩む人に向けてプロフェッショナルが事例とともに分かりやすく解説。大切な資産と人間関係の守り方教えます! 「相続登記と遺言を行なうメリットってなんだろう?」「相続した不動産、売るべき?売ら…

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