「カラフルデブ」――パンチが効いた名称は、脳神経外科専門医とファッションデザイナーという2つの肩書を持つ、Dr まあや氏の通り名だ。髪はピンクや青、黄色や緑のレインボーカラー、そして身を包むファッションもとにかく奇抜。一度見たら絶対に忘れられない容姿から、インターネットで人気に火がついた。以来、『アウト×デラックス』(フジテレビ系)や『人生が変わる深イイ話』(日本テレビ系)などバラエティ番組に引っ張りだこ。ここでは彼女の半生とポジティブ思考の秘訣を紹介する。本連載は、Dr まあや氏の著書『カラフルデブを生きる』(セブン&アイ出版 ※2020年に事業終了)から一部を抜粋した原稿です。

人の頭を開ける脳外科医をあえて目指す理由

私が脳外科医になろうと決心したのは、大学1年のときでした。

 

Dr まあや著『カラフルデブを生きる』(セブン&アイ出版)
Dr まあや著『カラフルデブを生きる』(セブン&アイ出版)

1年生では数学や物理や生物、それに英語やドイツ語といった語学、心理学などを学びます。あとは医学総論という教養課程の授業のなかで各科について勉強し、自分がどの分野に進みたいかを決めていきます。

 

脳外科について学ぶ授業のなかで、手術する様子をビデオで見たんです。頭にメスを入れているのを見て、「これだ! これしかない!」と、瞬時に思いました。

 

たとえば手術でお腹をメスで開けるというのは消化器外科や泌尿器科、婦人科でもできます。脳外科の手術でも、腹腔(ふくくう)までは開ける手術があります。でも、人の頭を開けるというのは脳外科医にしか許されない領域です。

 

脳外科医になろう。そのとき、そうハッキリ決意して、その思いは6年間ゆるがなかったですね。外科のなかでも、脳外科と心臓外科は独自の領域があり、医者のなかでもかなりスペシャリティの高い分野だ。そう感じたからこそ、そこを目指したかったんです。

 

それに、もし目の前に人が倒れていたら、救急医として命を助けられる医者になりたい。そんな思いもありました。

 

医者になってからの修業期間も、脳外科と心臓外科がもっとも長くてハードです。脳外科は、医者として一人前になるまで20年はかかります。手術をひとりで迷わずにできるレベルにまで達することができるのは40代前半くらいでしょうね。

「女医さんが脳外科で働くことがいいとは思わない」

5年生になると、就職について考え始めました。医局が大きいほうが働き口は多いと言われて、都内にある、いくつかの大きな病院に見学に行きました。

 

でも、ある東京の有名な大学病院で教授と面接したときに、こう言われたんです。「僕は、女医さんが脳外科で働くことがいいとは思わない。きみは女性としての人生を考えたことがあるのか」

 

私は中学生のときから徹底して自分の人生を考えてきた人間だったので、「女性としての人生をよく考えたうえで、覚悟して脳外科医になることを決意したんです」と答えました。

 

でも、「いや、あなたは絶対に考えていない」と言い張るんですよ。

 

「これ以上言うと、セクハラになるからあまり言いたくないけど、僕は医局にいる女医さんに対して正直いいと思ってないし、彼女たちが脳外科医としてやっていけると思ってないし、あなたが入ることもいいと思わないから」

 

そんなものなのかなとガッカリしながら、今度は慶應義塾大学病院へ見学に行きました。そこの脳神経外科には当時、世界的名医の河瀬斌(たけし)教授がいらっしゃいました。河瀬教授は頭蓋底(ずがいてい)外科の世界でとくに活躍された先生で、河瀬教授の名前のついた脳の部位があったり、世界脳神経外科学会連盟(WFNS)の副理事長も務めたりと、脳神経外科では世界的に知られている人です。

 

その河瀬教授には、真逆のことを言われました。

 

「これからは女医さんが脳外科医として活躍していく時代です。脳外科は、外科のなかでも座って手術ができるし、細かい作業だから、女性のほうが得意かもしれないよ」

 

そうおっしゃっている姿が、少し落ち込んでいた私には輝いて見えました。こうして迷わず、慶應病院の脳神経外科に入局させていただきました。

 

 

 

脳神経外科専門医

ファッションデザイナー

 

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カラフルデブを生きる

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