ご両親など、身近な親族が亡くなった場合は相続税の申告が必要なことがありますが、その際、「税理士に頼まなくても、自分で申告できるんじゃないか」と考える人もいることでしょう。しかし、もし自分で申告を行った場合、様々なリスクを抱えてしまい、結果として損をする可能性が高くなってしまいます。今回は「相続税申告」の手続きについて解説します。※本連載は、新宿税理士事務所の税理士である坂根崇真氏が、相続税対策の基礎知識について解説します。※本記事は 「新宿相続センター」掲載の記事を転載・再編集したものです。

財産額を算定するための資料を用意する

相続税の申告を行うためには、財産の価値を算定しなければなりません。財産額を算定するためには、

 

・通帳を基に預金残高を把握

・不動産屋に自宅の売却金額を見積もってもらう

 

こういったことでは足りません。相続税の申告を行うためには、相続税法のルールに則って、財産価値を算定しなければならないからです。そのため、財産価値の算定にあたっては、数多くの書類を準備する必要があります。

 

たとえば、自宅ひとつ評価するにあたっても

 

・固定資産税の課税明細書

・不動産の登記簿謄本

・公図

・地積測量図

・住宅地図

・路線価図、倍率表

 

などの書類を準備しなければなりません。

 

このように、1つの財産でも複数の書類を準備していく必要があり、最終的に準備する資料は、通常数百枚におよびます。そのため、非常に手間と時間がかかります。税理士による主導のもと、相続税の申告にあたって必要な資料を集めるとともに、税理士が職権で発行することができる資料については取得を依頼すると良いでしょう。

集めた書類をもとに財産の価値を算定する

収集した書類を元に財産価値を算定します。たとえば、土地の評価では公図を基に、三角スケールなどの専門道具を使って算定します。また、財産価値の算定は、単に書類の確認に留まりません。

 

たとえば、

・役所への権利関係の確認

・現地に行き、道路の幅などを確認

 

こういったことも行います。これを行うことで相続税の支払いが数十万円、数百万円と大きく変わることがあるからです。

 

しかし、仮にここまでの確認を行わなかったとしても、税務署は咎めない可能性が高いです。なぜなら、税金の支払いが足りない場合には、税務署は罰金付きで税金を支払うよう求める一方で、税金を多く納める分には、黙って受け取るからです。

 

したがって、しっかりと対応できる専門知識が必要となります。

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