本記事では『相続大増税の真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、相続トラブルについて解説します。「遺言書さえ書いてくれていれば…」と経験済みの方も多いかもしれません。悲しい結末を防ぐためにも、過去の事例を見ていきましょう。

独身長男が急逝…思わぬ事実が続々と判明

●独身の兄が遺言書を作成せずに病死。その後、相続人はほかにもいることを知った弟。

 

被相続人のHさんは病気がちのため結婚せず、ずっと1人で過ごしてきました。Hさんには同じ両親から生まれたIさんという弟がおり、Hさんは自分の相続人は弟1人だけだと思っていましたため遺言書を作成していませんでした。そんな折、病気が悪化して亡くなってしまったのです。

 

ところが、Hさんの父は再婚で、元妻との間に長男のJさんがいることが戸籍によって判明しました。さらにJさんはすでに死亡しており、子どもが3人いるとわかったのです。つまり被相続人Hさんの相続人は弟のIさんに加えて、Jさんの子ども3人の合計4人だったのです。

 

今まで一切付き合いのなかったJさんの子どもとの遺産分割協議は一向に進展せず、遺言書もないことから、被相続人Hさんの相続手続きを進められない状況が続いています。遺言書さえあれば、面倒な手続きなく、相続手続きが完了したはずなのです。Iさんは、兄のHさんが遺言書を書いてくれていたらと悔やんでいます。

 

このケースのように、残された親族のために独身者も遺言書を書いてほしいと思います。相続時に何が起きるかわからないからこそ、被相続人は自分の財産を誰にどの程度相続させるのかを遺言書として意思表示するのが大事なのです。

 

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本連載は、2013年12月19日刊行の書籍『相続大増税の真実』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続大増税の真実

相続大増税の真実

駒起 今世

幻冬舎メディアコンサルティング

2013年度の税制改正による「基礎控除の4割縮小」と「最高税率の引き上げ」で、これまで相続税とは無縁と思っていた一般家庭にも、相続増税の影響が直撃する可能性がでてきました。 「今すぐ節税をはじめなければ、とんでもな…

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