「生活苦しくて」と金せびる1人っ子長男…怒った父の最終手段

相続人である子どもに浪費癖があるような場合は、先祖伝来の大切な財産を失ってしまうかもしれません。そんなときは、子どもを飛ばして孫へ受け継がせることも可能です。本記事では「信託」の活用方法について、具体例とともに解説していきます。 ※書籍『資産運用と相続対策を両立する不動産信託入門』から一部を抜粋したものです。税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

子のいない夫婦…浪費癖のある弟には相続したくない

次の事例における家族の課題は次のとおりです。

 

 

Aさんは賃貸マンションを1棟保有しており、毎月100万円程度の賃料収入を得ています。Aさんには親族はおらず、死亡した場合、財産を相続するのは妻のBさんです。AさんとBさんとの間には子どもはおらず、Bさんの親族も弟であるCさんしかいません。ただ、浪費癖があるCさんとは、現在は絶縁状態にあります。

 

しかし、Aさんは自身の死亡後Bさんが相続した不動産が、Bさんの死亡後にCさんに相続されることを避けたいと思っています。子どもがいないので、残されたBさんの生活だけが何とかなれば、それ以降は財産を公益性の高い団体に寄付するなどして、社会の役に立てたほうがCさんに残すよりは有益だろうとも考えています。

 

■このケースで信託を利用するメリット

 

① 遺言で指定できるのは自分が死んだ場合の相続の方法についてのみです。相続人の相続については遺言で指定できませんから、Aさんの場合、遺言でBさんに相続させるという遺言を残したとしても、Bさんが死亡したとき「Cさんに相続させない」という遺言をBさんが残していないと不動産はCさんに相続されてしまいます。しかし、信託を利用することによって、Bさんが亡くなった後の財産の帰趨(きすう)、つまり自己の相続人からの相続についてもAさんの意思を及ぼすことができるようになります。

 

② 第三受益者を公益法人D(出身大学や宗教法人等)とした場合、AさんはBさんの弟Cさんに財産を渡すことなく、信託財産の受益権をDに寄付することができます。

虎ノ門法律経済事務所 所長弁護士

昭和41年3月、中央大学法学部法律学科卒業。昭和48年3月、早稲田大学大学院修士課程政治学研究科修了。昭和45年4月、弁護士登録(東京弁護士会)。昭和47年4月、千賀法律事務所を開設(現在の虎ノ門法律経済事務所)。平成11年に日弁連常務理事、平成12年に東京家庭裁判所調停委員、平成14年に東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会委員長など、数多くの公職を歴任。現在は、虎ノ門法律経済事務所を母体とする株式会社虎ノ門サポート信託の代表取締役も務め、個人を中心に不動産信託に特化した財産管理のサポートをしている。

著者紹介

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本連載は、2013年12月2日刊行の書籍『資産運用と相続対策を両立する不動産信託入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

資産運用と相続対策を両立する 不動産信託入門

資産運用と相続対策を両立する 不動産信託入門

編著 千賀 修一

幻冬舎メディアコンサルティング

高齢の不動産オーナーなどは、老後の不動産管理や賃貸経営、そして相続に関して、さまざまな不安要素が生じてくるものです。不動産管理に関する知識がなかったり、あるいは財産を目当てとした思わぬトラブルなどが発生したりし…

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