ひとり暮らしをしている高齢者は、「子どもや孫と一緒に暮らすこと」を望んでいる人ばかりとは限りません。しかし、望んでひとり暮らしをしている高齢者も、ケガや病気などで、いつか介護が必要になったらどうしよう、と不安を抱いている人は少なくないのです。今回は、シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏の著書『ひとり終活』より一部を抜粋し、ひとり暮らしの高齢者が健康寿命を延ばすためにやるべきことを紹介します。

 

ここ数年、近所の公園を利用し、高齢者を対象とした無料の公園体操教室を定期的に開催する自治体が増えています。たとえば東京の大田区では、区内在住の65歳以上で医師から運動制限を受けていない人であれば、事前予約は不要で、「いきいき公園体操」に参加
できます。

 

名古屋市にある東海学園大学では、スポーツ健康科学部(愛知県みよし市)の学生が地域の高齢者を対象にキャンパス近くの公園で、週に一度、運動指導をしています。

 

NPO法人全国ラジオ体操連盟のホームページでは、原則として年中無休でラジオ体操をおこなっている全国の公園のリストを掲載しています。自治体が開催する体操教室などについては市区町村の高齢福祉課で情報を教えてくれます。

 

自宅でひとりで体操するのは張り合いがないかもしれませんが、大勢で体を動かせば、会話もはずみ、楽しく運動を続けることができます。体操が終わった後、参加した人と一緒にお茶を飲んだり、公園でおしゃべりをしたりするのも、ひとり暮らしの高齢者にとっては外出の楽しみにつながりますので、ぜひ参加してみてください。

カミカミ…規則正しく1日3食取る

ひとり暮らしだと、食事もひとりでとることが多いのではないでしょうか。誰かのために料理をしたり、誰かと一緒に食べたりといった機会がなければ、食事を作ることが面倒
になり、だんだん栄養バランスにも気を使わなくなってしまいます。

 

日本能率協会総合研究所が2015(平成27)年に実施した調査では、ひとり暮らし高
齢者の45%は栄養バランスがとれていないと自覚していました。栄養バランスだけでなく、ひとり暮らしをしていると、食事の時間が不規則になったり、1日3食をきちんととらなかったり、毎日同じものを食べ続けたりしがちになります。

 

暴飲暴食はよくありませんが、そうかといって粗食がいいわけではありません。エネル
ギーとたんぱく質が欠乏し、健康な身体を維持するのに必要な栄養素が足りない高齢者は
少なくありません。その意味で、健康寿命を延ばすためにはバランスのとれた食事がとて
も大切なのです。

 

多くの社会福祉協議会では、ひとり暮らし高齢者を対象とした料理教室を定期的に開催
しています。みんなで料理をして、作ったものをおしゃべりしながら食べるというのは、
食事の楽しみにもつながります。もちろん、仲間作りのきっかけにもなります。こうした
料理教室に顔を出してみるのもおすすめです。

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ひとり終活

ひとり終活

小谷 みどり

小学館

元気なうちは気兼ねの要らない自由な暮らしがいいと思っていても、ひとり暮らしの人は、将来に不安を感じることも多い。 介護が必要になったら誰が面倒を見てくれるのだろう? 万が一のとき誰にも気づいてもらえなかったら…

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