「勉強しない子」のやる気を爆上げする3つのアプローチ

わが子に対し、「何度怒っても勉強しない」「やる気になってくれない」という悩みを抱える親は少なくありません。子どもの意欲を引き出すにはどうすればよいのでしょうか?※本連載は、中学受験専門塾「伸学会」の代表・菊池洋匡氏、「伸学会」開発部主任・秦一生氏の共著『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「何を言ってもやる気にならない」という勘違い

うちの子、全然勉強しなくって…。テストの解き直しはもちろん、宿題もまともにやらない。私が子どものときには、テストで悪い点数を取って怒られるのが怖くて必死に勉強したものなのに、何度怒ってもちっともこたえなくて、どうしたらいいのかもうわからない…。

 

そんなお悩みを私たちはよくうかがいます。これはありがちな失敗パターンです。前項で、子どもの「勉強するべき理由」の大枠がわかっていただけたなら、あなたもこの失敗の原因にお気づきではないでしょうか。

 

お子さんによって、6つの動機のどれが響くかはバラバラです。じつは私たち大人も、自分の子ども時代を振り返ってみれば、6つの動機すべてが揃っていたということはまずありません。どれかが原動力になっていたのです。そして多くの人は、とりあえず「自分の経験上はこうだったな」と思い出して子どもに伝えようとします。

 

しかし、お子さんが親と同じ動機でやる気になってくれるとは限りません。子どもは自分のコピーではないのです。だから、もしお子さんに響かなかったら別の方法に切り替えなければいけません。それなのに、ほかの動機のくすぐり方を知らないと、同じ方法を繰り返すしかなく、「子どもがやる気になってくれない」と嘆くことになります。そうならないように、ご自身とは別の動機からもアプローチできるようになりましょう。

 

イラスト:吉村堂
子どもは親と同じ動機で勉強するとは限らない イラスト:吉村堂

やる気の「入口」に火を着ける、3つのアプローチ

【報酬志向の火のつけ方】

●叱るのではなくほめる

●成果主義でなく行動主義

●良いことがあったら即ほめる

●一貫性を持ってほめる

●報酬を自己設定させる

 

子どもにとっては、「叱られる行動を避ける」より、「ほめられた行動をもう1回やる」ほうがわかりやすいです。一度やった行動なので、「これをすればいい」という実感が湧きます。「これがうまくいったね」「次はさらにこうしてみよう」とほめて伸ばしましょう。

 

叱る際も、「こういう行動をとってほしい」と明確に伝えることで、その後の行動の改善につながります。結果には偶然も多く含まれます。学習の結果には再現性がありませんが、プロセスには再現性があります。山頂にたどり着くかどうかは天気次第ですが、前より一歩多く坂を登ったかどうかは確実に評価できます。行動を見てほめましょう。

 

ほめ方のコツは、大まかに言うと「行動をほめる」「良い行動を見たら即ほめる」「一貫性のある基準を持ってほめる」の3つです。ほめることを通じて、お子さん本人が「これが良い行動だ」と自己判断できるようになることを目指しましょう。

 

【自尊志向の火のつけ方】

●近いレベルの競争相手と切磋琢磨する

●勝ち負けがはっきりするよう点数(スコア)を可視化する

 

自尊志向をくすぐりたいのであれば、まずは近いレベルの生徒がいる塾に入れましょう。負けっぱなしにならない環境が必要です。

 

ただ、塾ではちょうど良い環境を用意できても、家庭内では競争場面を作ることはなかなか難しいでしょう。親子でも兄弟でも、力の差があるので勝ち負けが固定されてしまいがちです。そういうときには、競争内容に工夫が必要です。結果を競うだけでなく、行動を競う形にしたり、ハンデを作ったりすればいいのです。

 

「お父さんの禁煙・お母さんのダイエット・子どもの朝学習のどれが長く続くか」

「お父さんの会計士資格の勉強時間と、子どもの算数の勉強時間を競う」

「親も同じ算数の問題を解きつつ、解答時間を2倍して子どもと比べる」

 

こういったアイデアを考えてみてはいかがでしょうか。

 

イラスト:吉村堂
家族で目標を競争して自尊志向をくすぐる イラスト:吉村堂

 

【関係志向の火のつけ方】

●目的・目標を共有し、チームの連帯感を作る

●まずは親自身が子どもにもしてほしい行動をとる

 

塾選びの際は、そこに通う生徒とお子さんの人間関係に注目しましょう。目標が同じ子がいるほうが、子どもは燃えます。「志望校に受かった先輩がこれをやっていた」もよく聞いて実践しようとします。

 

例えば伸学会では、クラス内で1週間の学習時間を報告しあったり、他の生徒に応援コメントを書きあったり、算数の問題を教えあう場面を作ったりすることで、チーム感の醸成を進めています。

 

家庭内では、「親も勉強する」ことが最善策でしょう。「仕事の資格をとる」「料理の本を読む」「リビングで読書する習慣を作る」といった、「親が何か新しいことを学んでいる姿」をお子さんに見せましょう。私も小学生時代は親が読書をしていたので読書にはまりました(ただ、親がテレビドラマにはまったら読書から遠のきましたが)。子どもは親を何かと真似するものなのです。

 

【まとめ】

報酬志向は「叱るよりほめる」「行動を・即座に・一貫性を持ってほめる」

自尊志向は「ライバルを作る」「ほどほどの勝率を取らせる」

関係志向は「望ましい友人を作らせる」「手本を親が見せる」

 

 

菊池 洋匡
中学受験専門塾「伸学会」 代表

 

秦 一生
中学受験専門塾「伸学会」 開発部主任

中学受験専門塾 伸学会 代表

算数オリンピック銀メダリスト。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。

10年間の塾講師歴を経て2014年に伸学会自由が丘校を開校し、現在は目黒校、中野校、伸学会Primaryと4校舎を運営。中学受験の第一志望校合格者は4人に1人と言われる中、毎年40%以上の子どもたちを第一志望校に合格させている。

「自ら伸びる力を育てる」というコンセプトで、少人数制のアットホームな雰囲気の中、学力の土台となる人間性から作り上げる指導を徹底。メインとなる中学受験本科コースでは、算国理社以外に「ホームルーム」という独自の授業を実施し、スケジューリングやPDCAといったセルフマネジメントの技術指導に加え、成長するマインドのあり方を育てるコーチングを行う。それらの内容はすべて最新の教育心理学の裏づけがあり、エビデンスに基づいた指導に対し、特に理系の父親たちからの支持が厚い。伸学会の指導理念と指導法はメルマガでも配信し、現在約4500人の悩める保護者が購読。

生徒の9割以上は口コミと紹介とファンになったメルマガの読者から集まっている。著書に『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)がある。

●伸学会HP http://www.singakukai.com/
●Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UCpmIx1eakUt4zHDLTzUF7eA

著者紹介

中学受験専門塾 伸学会 開発部主任

中学受験専門塾伸学会代表・菊池洋匡氏の教え子として開成中学に合格。開成中学・高校では学習をサボって手品に打ち込み、成績では学年でワースト5に入っていたが、大学受験時に一念発起して学年の9割を抜き、東京大学文科三類に合格。

大学でもマジックサークルの会長を務めるほど手品にのめり込んだ結果、一年遅れで文学部を卒業。この成績の乱高下経験から「熱中を自分で意図的に作り出せるかが成功を左右する」と考えるようになったこともあり、教育業界に関わることを決意。

スタッフ研修と保護者向けセミナーを担当。伸学会独自の教科「ホームルーム」のカリキュラムを制作し、生徒が自己管理しながら自主的に学習するための指導法を考案している。

著者紹介

連載子どもの「やる気スイッチ」を押す!小学生の子が勉強にハマる方法

「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法

「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法

菊池 洋匡

秦 一生

実務教育出版

ゲームばかりしてる子も、どんなにイヤがる子でも自分から勉強するようになる! どこの誰でも実践できる、勉強を楽しんで取り組む科学的な“技術”を紹介。 中学受験の第一志望合格率40%(平均合格率25%)を誇る伸学会…

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