争族、離婚トラブル、労働問題…弁護士事務所には今日も様々な相談が舞い込みます。そこで本連載では、弁護士法人アズバーズ代表の櫻井俊宏氏が、実際に寄せられたトラブル事例を紹介し、具体的な対策を解説します。 ※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

調査官は重加算税をかけたがる
税務調査を録音することはできるか?
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「お客様は神様」という言葉もあったけれど

実際に法的措置、すなわち裁判等をされても負ける場合は少ないです。従業員のメンタルを守ることのほうが重要です。

 

それでもまだ連絡をしてくるような真のモンスタークレーマーの場合は、弁護士を頼むのもよいでしょう。今回のAのように、突然連絡してこなくなることも多いです。自分のしていることに正当性がないと気づいているのでしょうね。

 

6 刑事犯罪に当たるような場合

 

「夜外を歩くときに気をつけろよ」といったことを伝えてきたら、もう刑事上の脅迫罪(刑法222条)にあたるので、録音したまま「脅迫ですか!?」と強気に言ってください。相手が法的措置に出られるのではないかと思い、ひるむ場合が多いです。それでも止まらなければ、警察に相談してもよいでしょう。

 

あまりにもしつこく電話をしてくるような場合は業務妨害罪(刑法234条)にあたることもあるのですが、裁判例上も、3ヵ月で1000回電話をしてきた場合など、極めて執拗な場合に限られます。ただ「業務妨害で被害届を出しますよ」と伝えるのは有効な方法です。

 

 

7 最後に

 

昔は「お客様は神様」という言葉もあり、モンスタークレーマーも大事にしなくてはならない風習があったように思います。これまでもたくさん存在していましたが、最近になってようやく問題として認識され始めました。特に日本の場合、ほかの国よりもモンスタークレーマーに対し丁寧に対応しすぎのような気がします。

 

契約関係にあるとはいえ「客に対しては無理な要求もすべてきっちり対応しなければならない」というものではありません。本記事で述べてきたように、従業員が健全に働くことができる労働環境を整えるのも企業の責務です。モンスタークレーマーに対しては毅然と対応しましょう。
 

 

櫻井 俊宏

弁護士法人アズバーズ代表

中央大学法実務カウンセル

 

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