「私は亡くなった父と一緒に住んでいなかったから、小規模宅地等の特例は無理かな」と諦めていた方も、「家なき子特例」だったら適用できる可能性があります。今回は「家なき子特例」について解説します。※本連載は、新宿税理士事務所の税理士である坂根崇真氏が、相続税対策の基礎知識について解説します。※本記事は 「新宿相続センター」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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以前は相続税の節税対策として、自分が所有して住んでいる家屋を親に売却したり、自分の子供に贈与して家なき子特例を適用することが可能でした。しかし、自分が持っていた家の所有権を親や子どもに移すことで相続税を減らすことができるのは、おかしな話です。このため、平成30年度の税制改正によって、基本的に適用ができないようになりました。

 

平成30年度の税制改正以前に相続税対策としてご自身の所有する自宅を親に買い取ってもらったり、子供へ贈与していた方は特に注意が必要です。心当たりのある方は新たな相続税対策が必要です。

「家なき子特例」を使う際の注意点

被相続人の自宅の土地評価額を80%も減額できる「家なき子特例」の注意点をご紹介します。

 

◆実は「子ども」じゃなくてもOK

家なき子特例を使うことができる相続人は、被相続人の子に限りません。6親等以内の「親族」で先ほどの要件を満たせば、孫はもちろん、甥、姪など、かなりの範囲の親族が家なき子特例を適用することができます。

 

遺言書や死因贈与契約等を検討している場合は、亡くなった際、子どもや孫が特例を受けられるように税理士や司法書士と一緒に制度設計すると良いでしょう。

 

※被相続人の父・母・配偶者・子・代襲相続人以外が相続した場合は、相続税の2割加算が適用されることとなります。

 

◆条件(法律)が変わる可能性がある

これまでに相続税の対策をしたことがある方や、これから相続税の対策をお考えの方に特にご理解いただきたいのは、現在の税制は変わる可能性があることです。

 

消費税が改正されるとマスコミも大きく取り上げますが、それだけでなく、毎年法律の改正が行われています。そのため、相続税の申告・生前対策を行う際は、常に最新の税制と照らし合わせながら進める必要があります。

 

特に生前に行う相続税対策は、1度対策を打って終わりではなく、毎年の税制改正に合わせて対策内容を変えて行く必要があります。なので、定期的に税理士と対策の内容を見直すことをオススメします。


※相続税の法律は毎年変わります。

家なき子特例(小規模宅地等の特例)適用に必要な書類

家なき子特例を使うためには、以下の書類が必要です。

 

・相続開始前3年以内における住所を証明する書類

→戸籍の附票

 

・相続開始前3年以内に居住していた家屋が持ち家・親族の所有する家屋・特別な関係のある法人の所有する家屋ではないことを証明する書類

→賃貸借契約書や家屋の登記簿謄本 など

 

・住んでいる賃貸アパート等が、過去に所有したことがない家屋であることを証明する書類

→相続開始時に居住していた家屋の登記簿謄本 など

 

もちろん、相続税の申告には別途数百枚レベルの書類が必要なので、これらの検討を行う際は、早めに税理士に相談することをお勧めします。

 

 

坂根 崇真
新宿税理士事務所 代表税理士

 

 

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