「ミスした人が悪い風潮」が間違いだといえる、これだけの理由

尾崎 裕
「ミスした人が悪い風潮」が間違いだといえる、これだけの理由

脳が疲れ情報を処理しきれなかったとき、ながら行動のとき、気持ちが焦ったときなどに、思いもよらないミスをしてしまうことがあります。ヒューマンエラーを防止するには、活動の流れを追って「要因」を見つけ出すことが重要なのです。※本記事は化学系会社にて5年間ISO規格の品質及び環境マネジメント事務局を担当していた尾﨑裕氏の書籍『ヒューマンエラー防止対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。

エラー発生時、悪いのは人ではなく「悪い影響」

[図表2]に各処理工程別の起こりうるエラー原因を記載しました。

 

[図表2]情報の各処理工程において起こりうるエラー原因

 

 

これまでも、ヒューマンエラーの発生に対しては、その原因についていろいろと検証されてきました。「装置が悪い」、「環境が悪い」「時間がない」云々。

 

しかし、ヒューマンエラーの防止対策を考える前に、これだけはしっかりと認識しておく必要があります。“エラーは何処で起きるのか?”との問いに対する“正しい答え”は、これらの“装置”や“環境”や“時間”ではありません。エラーが起きる場所は、紛れもなく“人間の脳”なのです。

 

ここで誤解しないでいただきたいのは、「エラーが起こったから、そのエラーを起こした当人が悪いのだ」と断定しているわけではありません。エラーは、人を取り巻くいろいろな状況が人の脳に悪い影響を及ぼしたその結果です。悪い影響を受けた脳が、間違った動きをさせられてしまったのです。つまりは、悪いのは人ではなく、脳に間違いを起こさせるところの“悪い影響”です。

 

※本記事は連載『ヒューマンエラー防止対策』を再構成したものです。

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