UCLAやUCバークレー、スタンフォード…抜群の英語力や特別なコネを持たない普通の日本人でも、これらの「世界トップ大学」を卒業することは可能です。ここでは、日本ではほとんど知られていない「短大→トップ4年制大学」という進学方法に基づき、編入を実現する具体的な戦略を解説します。※本連載は、株式会社Sapiens Sapiens代表取締役の山内勇樹氏の著書『東大・京大卒に勝てる! 世界のトップ大学に編入する方法 』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

「Aを出してくれる先生」がわかる7つの方法

では、「Aを出してくれる先生」か「ほとんどAを出さない先生」なのか、成績のつけ方は「絶対評価」か「相対評価」なのか…。

 

こうした情報を集める方法をいくつか紹介します。

 

1. アメリカ人の友人に直接聞く

 

前述しましたが、体育を通じて人脈ができていれば、友人たちにどんどん質問をしていきましょう。

 

「Do you know any classes that I can get an A easily?(簡単にAを出してくれる授業を知っている?)」

 

こう聞けばたいてい誰でも1つや2つは教えてくれるものです。体育の授業は1、2年合同なので先輩を狙って聞きましょう。中には間違った情報もありますから、できるだけたくさんの友人に同じ質問をして、その中で何度も聞く先生の名前や授業名を控えておくのがポイントです。

 

2. 過去問を入手できた授業を取る

 

体育の時間、私以外の皆も、流行語のように口にしていたのが次の質問でした。

 

「Do you have the past exams?(過去問持ってる?)」

 

過去問がよく出回ってる授業の中には、出題傾向を変えない先生のテストが存在します。過去問を数年間分集めて、同じような問題が出されていれば、次も同じである確率は高いです。過去問は、アメリカ人も他国出身の留学生も積極的に集めているので、遠慮せず質問しましょう。仲良くなるきっかけにもなります。

 

3. 「口コミ掲示板」を参考にする

 

学校によっては、生徒が主体となって、先生の評価や授業の評価を実際にその授業を取った生徒が書き込むネット上の「掲示板」が存在することがあります。アメリカ人の友達に、そのような掲示板があるかどうか、確認してみましょう。

 

このような掲示板の中には、数年で消滅するものがある一方で、10年以上にわたって続いているものもあります。

 

4. バックグラウンドが自分と近い先生を選ぶ

 

先生も人間です。無意識であっても、「同じバックグラウンドを持つ者に寛大になる傾向がある」という心理的要因が働くことがあります。

 

たとえば、日本人の場合は日系人の先生のほうが、Aを取りやすい授業です。もちろん、日本人だから簡単にAが取れるというわけではありません。ただし、AとBのちょうど中間に成績がある場合、「どっちの成績をあげようか…」と先生が悩んだとき、結果として「A」をつけてくれる傾向がある、というかなり繊細なレベルの話です。

 

しかしトップ大学に入れるかどうかは、本当に微妙な差ですから、この1つの授業で「Aを取るか、Bになるか」の差は、後々大きな差となる可能性もあるのです。

 

反対に日本人がAを取りにくい先生も残念ながらいます。そういった情報をなるべく早く、まわりの友人や先輩から集められるといいですね。

 

5. 記述が苦手なら、選択問題が多い授業を取る

 

どのようなテストが出題されるかも、知っておきたい情報です。「この授業のテストは意見を書かせる問題が多い」とか、「A、B、Cから答えを選ぶ選択問題がほとんど」などの情報は、授業を履修する前に知っておきたいものです。もし、英作文に苦手意識があるなら、前者の授業を避けることができるからです。

 

6. 「授業のスケジュール表(Schedule of classes)」を参考にする

 

これは、1ドルほどで売られている、時間割が載っている小冊子のことで、シラバスとは別モノです(関連記事『英語が苦手でも「米国トップ大学卒」に…編入を狙った短大留学』を参照)。学校の売店で必ず置いてあります。日本では「時間割」はタダでもらえますが、アメリカでは有料なことが多いようです。これには何時から何の授業を誰が教えているかが書かれていますので、先生についての情報を集める際の参考にしましょう。

 

7. 相対評価か絶対評価か確認する

 

原則、理系は絶対評価ですから、文系に比べてAは狙いやすいと思います。たとえば「90点以上はA」のように決まっていますから、先生の主義や主張で点数に幅が出ることはありません。しかし、文系は相対評価のことも多いので、そうなるとAを取るのは大変です。たとえば「第三世界は搾取されている」という立場を取っている先生の社会学は、そのように書けばAを取れるかもしれませんが、反対意見を書くとどうしてもネガティブな評価となってしまいます。論破できるほどの英語力があれば別ですが、滞在数ヵ月や数年ではそれも難しい。となると同じ社会学でも、できれば絶対評価でテストの回答方式も選択問題で出す先生のほうがAは狙いやすいということになります。これらも、情報収集能力にかかってくる事柄です。

漢字文化圏の強み…日本人がAを取りやすい「中国語」

語学もAを取りやすい教科だと思います。日本人は、中国語の漢字がわかりますから、中国語はAを取りやすい教科の1つです。

 

また、住む地域に合わせて語学を選ぶのもいいと思います。たとえばカリフォルニアはメキシコと隣接しているのでスペイン語を街中でよく耳にします。そのため、スペイン語が得意な学生がたくさんいます。この「友達からの助けを得やすい」というのも選ぶべきポイントの1つになります。最終の専攻が理系であっても、スペイン語が堪能な友人を持つ人たちは、スペイン語の授業を積極的に取っていました。

履修選びの3つの柱「先生、テスト内容、評価方法」

以上、具体的な戦略を紹介してきました。

 

●先生

●テスト内容

●評価方法

 

この3点をいろいろな情報収集の手段を使って、これらを必ず確認してから、履修する授業を決めましょう。この1つ1つの授業選びが、成功には欠かせません。好成績を維持するという目標を念頭に置き、それを最大限実現できる授業選びをしてください。

最後に

本連載は、数ある選択肢の中のほんの1つである「海外進学」、特に「名門大学への進学」に照準を絞ってお送りしてきました。興味のある方には、少しでも参考になる情報をお届けできていれば幸いです。興味は特にないけれどこの最後まで読み進めていただいた方には、感謝の言葉を送りたいと思います。また、乱筆で失礼いたしました。

 

最後にこれだけお伝えして、本連載を終えたいと思います。

 

どの大学を出たからといって、その先にある人生にはいかなる安泰の保証もなく、逆にいかなる絶望の確定もありません。これからの人生はあなた次第であり、そして運(うん)次第でもあります。

 

運は無条件にあなたに降りかかってくるものではありません。自分(あなた)が考え・動いた範囲を加味したうえで、天があなたに降りかける「ふりかけ」のようなものです。運の係数はあなたが決めるのです。

 

Good luck ^^

 

 

山内 勇樹

4技能英語講師

 

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