ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

SEOは重要な手段、だが成功を約束はしない

◇SEO会社の実態

 

●SEOだけで成功すると思い込んではいけない

 

少し前まで、ウェブマーケティングといえばすなわちSEOという風潮さえありました。最近はスマートフォンの普及でSNSでも情報が集まるようになり、検索をする頻度は減りました。さらにグーグルやヤフーが不適切なリンクを張っていると判定したサイトは検索画面に掲載されなくなり、SEOに対する熱もひところほどではなくなっています。

 

世間一般にSEOという言葉が浸透しているせいか、これをやれば簡単に順位が上がると思っている人もまだ多いようです。しかしあるクライアントの場合、毎月70万円から80万円をかけてどうにか3位を維持するのがやっとです。よく使われるキーワードになると、順位を上げたり上位を維持したりするのに月100万円近くかかります。それでも徐々に効果が表れればいいですが、うまくいくと言い切ることができないのがSEOの弱みです。

 

SEOで効果が上がると言い切ることができないのが弱み。(※写真はイメージです/PIXTA)
SEOで効果が上がると言い切ることができないのが弱み。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

もしトップに出ようとしたら、ウィキペディアに勝つのは至難の業です。ウィキペディアはそのキーワードについての情報が最も集約されたサイトとなっているからです。また大手企業が力を入れているキーワードとバッティングすると、企業規模やその企業のサイトに蓄積された情報量をしのぐことができません。ブランディングの観点からも大手企業はSEOに結構な額の投資をします。だから3位というのは健闘している方で、その位置を維持するだけでも大変なのです。

 

ウェブマーケティングにおいて、SEOが重要な手段のひとつであることは否定できません。しかし大手ならともかく中小企業で、毎年何百万円も費用をかけて続けていく必要があるかどうかはよく考えなければなりません。またSEOは続けることでじわじわと効果が出るという性格があり、短期的に売上を伸ばしたいのなら、確実に掲載されて即効性があるリスティング広告などの方が向いています。

 

パソコンやカギの修理や水漏れ対応など検索順位を上げるのが売上アップの近道という業種もあれば、検索以外の集客手法が重要な業種もあります。自社にとってどこまで必要かを検討して、ほかの手段にも予算を回してSEOはほどほどにしておくという選択肢もあるでしょう。

 

SEOは、どうしてもやらなければいけないものではありません。SEO会社にしても広告代理店にしても、やるものだと思い込んでいるのにつけ込んで、効果があろうがなかろうが勧めてきます。それにだまされないように、まずは気をつけなければなりません。

次ページSEOで順位を維持するには手間と費用がかかる
増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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