「うちの子、失敗を受け入れるのが苦手なんです」
発達障害の子どもは、失敗を受け入れるのが、特に苦手なときがあります。それは、「見通しを立てることが苦手」ということと関連しています。つまり、「失敗してもやり直せる」というとらえ方ができないのです。
見通しとはつまり、先のことをイメージする力、ということです。幼児期の子どもは、誰しも上手ではありませんが、経験を重ねていくうちに、だんだんできるようになっていきます。
もちろん、発達障害の子どもであっても、ゆっくりと成長していきます。
ですから、失敗してパニックになっても、温かく見守って、成長を待ってあげる姿勢が基本です。

周囲の人が「ルールを守れていない」と感じるワケ
「出された食事はすべて食べる」
「幼稚園の支度は自分でやる」
生活のなかで、そろそろできるようになってほしい、とルールや目標を設定することがあります。年齢のため、あるいは同年齢の子どもはもうできるのだから、と大人は期待するわけですが、発達障害の子どものなかには、こだわりのため、求められたように行動できないことが多々あります。
大人は、どうにかできるようになってほしい、と要求を強めてしまいがちですが、よりこじれてしまうこともありますね。そんなとき、子どもは「本当は〇すべきなのに、それをしていない」という状態になってしまいます。
「求められていることができない自分」を意識し、「求められたことができなかった体験」を重ねてしまうのです。
行動ができるようになるプラスよりも、自己や求められる行動に対して「できない自分」「いやなこと」というイメージを形成するマイナスの方が大きくなってしまいます。うまく行かない時には、促し方やアプローチを変え、要求の見直しをしてみましょう。「できない」ことをそのまま繰り返さない姿勢です。
でも、パニックになって困っている子どもに、どうにかして「大丈夫」なことを伝えてあげたいと思いますね。