
若い女性を中心に人気を集める「カラーコンタクト」。瞳の色や大きさを変えるだけでなく、視力補正機能を持つものもあり、おしゃれと利便性を兼ね備えたアイテムです。しかし、目に害があるのではないかと警戒する声も少なくありません。カラコンを安全に使うには、どうすればよいのでしょうか? 年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香氏が解説する本連載。今回のテーマは「カラーコンタクト」です。※本記事は、アイケアクリニック院長の佐藤香氏の語り下ろしによるものです。
「カラコン=目に悪い」と思われがちだが…
突然ですが、「カラーコンタクト」と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか? 視力補正用のコンタクトとは違って目に悪いものだとか、子どもには使わせたくないなど、一般的には悪いイメージがあるのではないかと思います。
しかし、本当はそんなことはありません。実は眼科医の私も、普段から「カラコン」を使用しています。使い方や製品選びを間違えなけければ、視力を改善させつつ、目の色や大きさを変えておしゃれを楽しむことが可能です。イメージチェンジをすれば気分転換にもなりますし、おすすめのアイテムです。

酸素透過率、着色料…「目に悪いカラコン」の特徴
とはいえ、皆さんが思うような「目に悪いカラコン」があるのも事実です。たとえば「酸素透過性」という問題があります。カラコンは普通のコンタクトよりも目に酸素が行きにくく、普通のコンタクトに比べ、カラコンの酸素透過性は5分の1程度といわれています。酸素を通しにくいカラコンを使用し続けると、目が赤くなる「充血」が起きたり、ドライアイを発症したり、黒目の内側にある細胞の数が減ってしまうなどのデメリットが生じます。
また、カラコンならではの「色」でトラブルを起こす製品もあります。着色料が表面に出てきてしまい、それが目に落ちた結果、目がダメージを受けてしまいます。
色素によるトラブルに関して、特に要注意なのは金属アレルギーのある方です。実は、カラコンに使用されている色素には金属が含まれているため、アレルギー症状を起こす心配があるのです。金属アレルギーの場合はカラコンの使用を控えたほうがよいでしょう。
着色トラブルがなく、衛生的…「いいカラコン」の特徴
とはいえ、安全なカラコンももちろんありますので、ご安心ください。色素が表面に出てきてしまわないように、着色料をレンズの素材どうしで挟んだ「サンドイッチ製法」で作られたカラコンなら安全です。この製法は着色料を素材の内側で挟みこむ形になるため、色素が目に直接触れる心配がありません。
ほかにも、1日で使い捨てる「ワンデー」タイプだと安全です。数日間、数回以上使えるカラコンを使うものはご自分で消毒を行う必要があります。消毒が不十分だったり、ゴミが入って目を傷つけたりする場合があります。1日で使い捨てるタイプのほうが、安全かつ清潔な状態で使用できますのでおすすめです。
カラコンは、適切な製品・色・サイズをきちんと選んで使用すれば、おしゃれの幅が広がる便利なアイテムです。しかし、眼科の診察を受けずに、ドラッグストアで購入した場合はトラブルの原因にもなりますから、注意しましょう。安全な使用をこころがけ、ぜひ一緒に楽しみましょう。
【動画/「わたしも使ってます!」眼科医が“いいカラコン”と“悪いカラコン”を解説】
佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長