産後の夫婦関係はその先何十年を左右する。日本では「産後うつ」になる女性が30%を超えるが、男性のサポートが得られなかったことも大きな原因だろう。産婦人科院長を務める著者が、夫婦で仲良く過ごすための男性からの働きかけのヒントを伝授する。本連載は、東野産婦人科院長の東野純彦氏の著書『知っておくべき産後の妻のこと』(幻冬舎MC)から一部を抜粋した原稿です。

家事を積極的にこなす以外に夫ができることは何か

私は「だから保育園に頼ればすべて解決ですよ」と言いたいわけではありません。もちろん頼れるサービスは積極的に使うべきですが、外部に委託するから夫はノータッチでいいということでは決してないのです。

 

では、家事を積極的にこなす以外に夫ができることは何か。家事と同じく、ただ闇雲に関わろうとしても空回りするのは目に見えています。まずは育児がどれほど大変なのか、知ることから始めましょう。

 

日中、男性は仕事で外に出ているため、育児の大変さにはなかなか気づきにくいものです。そのため、仕事から帰ってきて片付いていない部屋を見ると「なんでこんなに散らかっているの? 1日中家にいて、何をしていたの?」なんて言葉が、平然と出てしまいます。

 

しかし想像してください。あなたの職場に新入社員が入ってきたとします。その新人は、あなたが時間をかけて整理した仕事の書類を片っ端から破いたり、バラバラにまき散らしたりします。あなたが限られた時間のなかで仕事をしようとした途端に「おなかが空いたからごはんが食べたい」「つまらないから外に行きたい」と駄々をこねだします。

 

そしてようやく新人が落ち着きを取り戻し、いざ自分の仕事を再開しようと思ったら周りから「えっ? まだその仕事終わってなかったの? 1日何してたの?」「新人が邪魔をしたって……。その新人の指導をするのがあなたの仕事でしょ?」と言われてしまうのです。

 

そんなモンスターのような新入社員が職場にいたらたまりません。しかし、あなたが仕事で不在にしている間、家のなかでは同じようなことが毎日起こっているのです。

 

 

 

東野 純彦

東野産婦人科院長

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