日中に襲われる強烈な眠気、会議中あるいは作業中に意識が飛ぶような感覚。多くの人が日常で感じているこれらの症状のなかに、単なる眠気や疲れとして見過ごせない、深刻な問題が潜んでいるケースがあるのです。スタンフォード大学医学部教授が、睡眠トラブルの問題について警告します。※本記事は、スタンフォード大学医学部教授・西野精治氏の著書『スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣』(PHP研究所)より抜粋・再編集したものです。

「寝てない自慢=できない人認定」が常識となる社会へ

前にも述べましたが、睡眠に対して、日本人は基本的に「これは削れる時間だ」と考えてしまいやすいようです。「昨日も徹夜だよ」「忙しくて全然寝てなくて……」

 

こんな子どもの競い合いみたいな〝寝てない自慢〟をすると、「睡眠に対する意識の低い人=できない人」と思われて、恥ずかしくなるような社会になってほしいと思います。そういった時間意識、睡眠意識を変えて、大事なときこそしっかり睡眠をとらなくてはいけないということを常識化していってほしいのです。

 

私は、高反発型マットレスで知られるエアウィーヴ社との共同研究も行なっている関係で、アスリートと接する機会も多いのですが、世界でもトップレベルのアスリートたちは、睡眠が自分のパフォーマンスにいかに大切かということを、よく把握しています。結果次第で人生が大きく変わることを強く実感しているからです。

 

結果が出せる人ほど、睡眠をないがしろにしません。そういう点では、ビジネスパーソンも同じではないでしょうか。いついつまでに必ず仕上げなければならない大事な仕事、不測の事態が発生してトラブル解決に奔走しなくてはいけない事態、責任感を強く感じる人ほど「寝ているどころではない」という心理が強く働き、寝ずの態勢に入りがちです。しかし、それはいちばんやってはいけないパターン。

 

むしろそういうときこそきちんと睡眠をとり、判断力を鈍らせないようにする必要がある。寝ないのは、逆効果なのです。そういう認識が、日本の社会全体にもっと醸成されることを望みます。

 

 

 

 

西野 精治
スタンフォード大学 医学部精神科教授・医学博士・医師
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長
日本睡眠学会専門医、米国睡眠学会誌、「SLEEP」編集委員
日本睡眠学会誌、「Biological Rhythm and Sleep」編集委員

 

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スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣

スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣

西野 精治

PHP研究所

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