職場で、家庭で、街で……。あなたのまわりになぜかいつもイライラしている人はいませんか? また、あなた自身も気分や体調、ストレスにより怒りが抑えられないという場面もきっとあるはず。「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事」を務める安藤 俊介氏が現代人のイライラに対処するテクニックを紹介します。本連載は、安藤氏の著書『あなたのまわりの怒っている人図鑑』(飛鳥新社)から一部を抜粋した原稿です。

 

「クズ発見~」「住所特定して晒せ!」

 

特徴:自粛警察のように、自分はよいことをしていると思っており、悪いことをしている人は裁かれなければならないと信じている。

 

Why? なぜ怒る:匿名で自制心が働きにくく、集団心理も重なって怒りが増幅される。相手が見えないため、怒りの落としどころが見つからない。

ネット上の匿名空間で他人を攻撃しストレス発散

安藤俊介著『あなたのまわりの怒っている人図鑑 』(飛鳥新書)
安藤俊介著『あなたのまわりの怒っている人図鑑 』(飛鳥新書)

ネット上で悪意のあるコメントをしたり他人を攻撃したりする人が後を絶ちません。法務省の調べによるとネットによる人権侵害事件の件数は、2017年の2217件をピークに減少に転じたものの、依然高い水準です。

 

一見普通の人がネットに罵詈雑言(ばりぞうごん)を書き込むのは、匿名の空間に安心し、歯止めが利かなくなってしまうから。また、「みんなもやっているから」という集団心理が働き“祭り状態”になって盛り上がるため、特定の人を攻撃しているという罪悪感を失っているのかもしれません。

 

新型コロナウイルス禍のさなか、恋愛リアリティ番組に出演していた女子プロレスラーの木村花さんがネットの誹謗中傷を苦に自死したと言われる例は、SNS時代の最悪の悲劇のひとつです。この一件をきっかけに、国も発信者の特定を容易にするための制度改正に乗り出しました。単なるストレス発散で書き込んでも、度が過ぎると名誉棄損罪や侮辱罪など の犯罪に当たる可能性があります。

 

もし、ネットで他人を攻撃したくなったら、送信ボタンをクリックする前に「同じことをされたらどう思うか」「実名でも書けるか?」と一度冷静に我が身を振り返るクセをつけること。逆に、自分が攻撃を受けたら、一人で悩まず警察のサイバー犯罪相談窓口や弁護士に相談すること。でも一番の対処法は、しばらくSNSを見ないことです。

 

 

 

安藤 俊介

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事

あなたのまわりの怒っている人図鑑

あなたのまわりの怒っている人図鑑

安藤 俊介

飛鳥新社

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