認知症は「誰もがなりうる病気」です。石塚武美氏は書籍『認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫』(幻冬舎MC)にて、実母への介護経験を基に、症状改善に効果的な工夫や、老々介護に必要な心構えについて述べている。

認知症の母へ、どんな「マッサージ」をしていたのか

マッサージは、脛の表と裏(ふくらはぎ側)を、くるぶしあたりから膝の方へ向かって、手の平でゆっくりなでることでした。ふくらはぎ側は少し力を入れました。毎日、夕方、
表と裏をそれぞれ30回程度ゆっくりとなでました。なでる前後で血圧は10~20下がりました。

 

私の手の力により、重力で足(指、足首、脛)にたまった古い血液が心臓に戻されるので、心臓の負担が楽になり血圧が下がったのだと思います。もちろん気持ちがいいので幸せに感じて下がった面もあると思います。毎日続けた結果90歳少し前から飲んでいた血圧の薬もいつの間にか不要になりました。

 

同じように血圧を下げる効果があったのは、電池で動いてしゃべるネコと犬のおもちゃです。抱っこして、頭や背中をなでて嬉しそうにかわいがりました。特に、ネコの「にゃー」や犬の「クンクン」と鳴く声が聞こえると喜びました。このようにネコや犬と遊んでニコニコして、リラックスして血圧が下がったのだと思います。

水虫の解消が「認知症ケア」に繋がった!?

母親は60歳ころから両足の指に水虫がありました。いつも指の間がべたついていて痒がっていました。いろいろな薬を試しましたがうまくいきませんでした。手で触ると私の指にも水虫ができるのではと思うと、どうしたらいいのか迷っていました。

 

でも、じくじくしているのが気になり、あるとき、綿棒で指の間の湿っているところをこすってみました。何となく湿ったところが少し綺麗になった様子なので、左右5本の指の間8カ所を毎日新しい綿棒でそっとこすり綺麗にするようにしました。水分を取り除い
て乾燥させるようにしたのです。

 

5年ほど毎日続けたでしょうか、気がついてみると水虫は消え指の間はとても綺麗な皮膚になっていました。その後も毎日綿棒で指の間を綺麗にしました。時にはくすぐったいと笑いましたが、指の間の柔らかい皮膚を綿棒で刺激することは脳にもいい刺激となって認知症がよくなった要因の一つになったと思っています。

 

※本記事は、連載『認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫』を再構築したものです。

 

 

石塚 武美

認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫

認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫

石塚 武美

幻冬舎メディアコンサルティング

「ところで私の前にいるあなたはどなたなの?」 夕食時に母親から言われた一言をきっかけに、認知症改善への挑戦が始まった――。 おしゃべり、歌、マッサージ……。母親と過ごす毎日は光輝いていた。 日常生活における心掛…

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