
ステイホームにより、平日・休日ともにPCやスマートフォンなどの電子機器を使う時間が長くなりました。その影響により疲れ目や視力低下を感じる人が続出しています。年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香氏が解説する本連載。今回のテーマは「眼精疲労の予防・治療法」です。※本記事は、アイケアクリニック院長の佐藤香氏の語り下ろしによるものです。
リモートワーク、オンライン授業で「疲れ目」が悪化
新型コロナウイルス感染症の対策として不要不急の外出を控えるようになり、生活スタイルが変わった現在、仕事や授業にはPCが欠かせません。また、休日などプライベートにおいても屋内で過ごす時間が大幅に増えました。
毎日、PCやタブレット、スマートフォンといった電子機器を長時間にわたり使用していると、やはり視力低下や眼精疲労を感じる方が多くいるのではないでしょうか。そこで、本記事ではそういった悩みを改善する方法を紹介します。
以前の記事『怖い症状がテレワークで急増、身体に異変が…【医師が解説】』でも触れましたが、眼精疲労を予防するには環境づくりが大切です。部屋の明るさ、空調、PCまでの距離、目線の角度、時間などを工夫しましょう。

「目に負担がかからない作業環境」とは?
まずは部屋の明るさから説明します。最も目が疲れにくいのは、モニターと手元の明るさが同程度のときです。明るすぎず暗すぎず、ちょうどよい加減に調整してくださいね。
次は空調についてです。風が直接目に入ってくるようだと、やはりどうしても目が乾きます。ドライアイは眼精疲労に繋がりますので、作業をするときは、冷房が直接当たるような場所を避けてくださいね。
また、モニターとの距離が近すぎる場合にも目に負担がかかり、疲れてしまいます。目に優しい距離というのは、だいたい40cm以上です。適切な距離を保ちましょう。
さらに、目線も重要です。ちょっと下あたりを見るような感じが一番自然な角度で、目に負担がかかりません。モニターは目線が少々下向きになるような位置に置けるとよいでしょう。
最後は時間です。長時間継続して使うのも、やはり眼精疲労の原因となります。1時間ほど作業したら、必ず10分は休憩していただきたいと思います。ただし、休憩だからとスマートフォンを弄ってはいけません。結局目を使っているので、疲れが取れません。休憩時には、目を休めたり、遠くを見たりして、工夫しながら過ごしましょう。
目薬やマッサージ…お家でできる眼精疲労の治療方法
とはいえ、どれほど環境を改善しても眼精疲労を感じてしまうこともありますよね。そういった場合は別の治療法が必要です。
まずは目薬です。眼精疲労を改善するものがありますので、1日に3~4回ほど使用することで目の疲れを改善することが可能です。
また、目の血流を改善させることも大切です。ホットタオルを目に当て、温めるとよいでしょう。
ほかにも「マッサージ」が有効です。こちらについても、以前の記事『「整形したの!?」3分で目元が若返る方法【現役眼科医が解説】』で詳しく紹介していますので、ぜひ読んでいただければと思います。
PCやタブレット、スマートフォンを毎日長時間にわたり使用せざるを得ない生活スタイルは、今後もしばらく続くでしょう。感染症の世界的流行が収まっても、リモートワークやオンライン授業が常態化することも十分に考えられます。
そのため、眼精疲労を放置したり我慢したりせず、予防・改善する方法をしっかりと実践し、目の健康を保っていただければ幸いです。
【動画/スゴ腕ドクターが解説 目が疲れる人必見! 簡単にできる眼精疲労改善法】
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佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長