先妻の娘たちを育て、長男も生んでくれた後妻。しかし、夫親族との折り合いは最悪で、家族関係には問題が山積しています。ストレスから心を病んでしまった後妻と長男の生活を、夫として、父親として守る方法はあるのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

 

「先妻の娘たちを育ててくれて、むずかしい気性の母親や姉とも折り合ってくれて、妻には感謝しています。本当に苦労をかけてしまいました。しかし、これで安心です」

 

 

「息子の病気も気がかりですが、引き続き医師に相談して、少しずつ改善できたらと思います。なにはともあれ、安心して暮らせる環境が保障されて、安堵しました」

 

手続きが終わった際の、夫婦それぞれのホッとした様子が印象的でした。

 

後妻の長男についても、安心して治療に向き合える環境確保が大切でしょう。また、財産がほしいと要求している長女にも、もちろん思うところはあるでしょうが、何より優先されるべきは、財産の所有者であるY田さんの思いだといえます。

 

付言事項に分与の心情や願いを書いておくことは、大変効果的です。なぜなら、最後のメッセージとして最良の説得材料となるからです。相続問題の現場でも、付言事項があることで、相続人の争いを未然に防げた例は枚挙にいとまがありません。

 

また今回のケースのように、生前から財産を要求する人がいれるような場合、遺言書は絶対に必要です。揉め事の心配があるならば、早い段階で遺言書を準備することをお勧めします。

 

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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