経営者として収入も多かった兄は、常々「財産はいらない」と言っていた。しかし、東日本大震災で人生設計が大きく崩れた結果、姉が亡くなったときに突如「財産を半分もらう権利がある」と言いだし、「争族」に発展――。 ※本記事は、一般社団法人相続終活専門協会代表理事・江幡吉昭氏の書籍 『プロが教える  相続でモメないための本』(アスコム)より一部を抜粋したものです。

遺言を書くとき「絶対やってはいけないこと」は…

争族を避ける対策④ 遺言の「付言事項」に想いを書く

 

公証役場で作成する「公正証書遺言」は、公証人が作成してくれる正式な遺言で、その効力は法的に認められています。そういう意味で遺言としての効力は強いのですが、「付言事項」だけは公証人任せにできません。

 

そこだけは、あなたの言葉で書くのです。付言事項には、書いてはいけない事柄や文字数の制約は特にありません。ですから、家族一人ひとりへの感謝の想いを綴(つづ)る人もいますし、自分の人生を振り返る文章を書かれる方もいます。

 

このような文章は、本人にしか書けないため、遺言作成時にさほど重要視しない公証人もいます。付言事項を書くことを勧めないケースさえあります。

 

ですが、先にもお話ししたように「争族」を避けるために、付言事項はとても重要です。特に、財産分与に差をつける場合は、必ずその理由を遺された相続人が納得できるように記載してください。そして重要なことですが、いかなるときでも家族(将来の相続人)に遺言内容を相談することだけは避けてください。

 

相続は極めてセンシティブな話題ですから、下手に当事者に相談してしまうと、その相談自体が「争族」の引き金になってしまう可能性があります。もし、誰かに相談したいときは「争族」に詳しい、相続の専門家を訪ねましょう。


 

【争族を避けるポイント】

1.付言事項に財産分与の割合が違う理由を記載する

2.付言事項に想いを記載する

3.遺言の内容は相続人に相談してはいけない

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江幡 吉昭

一般社団法人相続終活専門協会 代表理事

 

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江幡 吉昭

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