近年、「副業」が世間の高い関心を集めている。不景気で実収入の減少に加え、増税も後押しし、ますます家計を圧迫する現状が続く。自身も多数の副業を手掛ける俣野成敏氏が、将来に不安を感じるすべてのサラリーマンに「副業」のメソッドを紹介する。本連載は俣野成敏著『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

初めのうちは「自分が信じたモノを売る」

ビジネスの世界では、よく“目利き”という言葉が使われます。この目利き力が活きてくるのは、「すでに商品に対して大きな需要が存在していて」、「その中で何を選ぶべきなのかがわかっている」状態においてです。

 

もともと、創業したばかりの個人事業主は、資金が限られています。通常、商品開発にはお金がかかりますし、宣伝をしなければ商品は売れません。すでにお話ししたように、最初は他人のモノを売ることで、自分で開発する手間がなくなります。自分の商品開発は、副業がある程度、軌道に乗ってからで十分です。

 

ところで、他人のモノを売るといっても、いきなりいい商品に当たるのは、おそらく難しいと思います。ですから、初めのうちは「自分が信じたモノを売る」しかありません。何度か、トライ・アンド・エラーを繰り返すうちに、目利き力も備わってくるでしょう。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

個人セールスの対象になるものとしては、他者の商品を紹介することでマージンを得る紹介ビジネスや、代理店ビジネスなどがあります。「代理店ビジネス」や「アフィリエイト」といった専門用語が使われることが多いので、難しく感じるかもしれませんが、要は口コミ営業です。

 

あなたが、「これは!」と思う商材に出会ったら、すべてはセールスのチャンスです。自分が買い手としてよいと思ったサービスでもよいですし、自分は顧客対象にはなり得ないけれど、世の中が待っているに違いないと確信するサービスでもかまいません(できれば、最初は、モノよりもサービスのほうが取り組みやすいと思います)。

 

そういうと、「私がよいと思ったサービスは、セールスパートナーは募集していません」という方がいらっしゃいますが、実際には、募集していなくても、交渉すれば取り扱えることも多いのです。

 

と言いますのも、会社が終わるのは「赤字」ではなく、「お金が回らなくなる時」だからです。つまり、コストの100%が変動費なら会社は潰れませんから、固定費として営業部隊を抱えるより、変動費として成功報酬を支払う方が高い割合の報酬が出せます。

 

これは、サラリーマンでもプロアスリートでも同じことですが、同じ能力で高い給与を求めると、歩合給の仕事にたどり着くことが多いと思いませんか。「このサービスを成功報酬で売りたいのですが」と申し出れば、意外と交渉の土俵には立てるものです。

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サラリーマンを「副業」にしよう

サラリーマンを「副業」にしよう

俣野 成敏

プレジデント社

「老後2000万円問題」「働き方改革」「残業規制」…等々。政府も会社も「自助努力でなんとか生きよ」と突き放す中、コロナ・ショックによる「リストラ」が、さらに追い討ちをかけています。一方で、自己責任の名のもとに「副業…

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