「俺がもらう」長男の暴挙に妹絶句…兄妹絶縁させた母の遺産額

相続で家族がもめるなんて大金持ちだけの話だと思っていませんか。実際には、むしろ遺産が少ないからこそ「争族」が起きてしまうのです。ここで紹介する家族は、株や現金を合わせて約500万円しか遺産がありませんでした。それでも「争族」になった理由とは? ※本記事は、一般社団法人相続終活専門協会代表理事・江幡吉昭氏の書籍 『プロが教える  相続でモメないための本』(アスコム)より一部を抜粋したものです。

長女「遺産は譲れないから」…長男の下した決断は?

また、このケースにおける最大の問題は、「お母さまの遺言が3姉妹の遺留分を侵害するものだった」という点につきるでしょう。3姉妹の不満は、法的に正当といえるのです。

 

とは言え、今回お母さまが残した遺産は、現金をありったけ集めても約500万円。にもかかわらず、3姉妹全員が再び1000万円ずつのハンコ代を期待していた点は無理筋でした。

 

3姉妹のうち長女は夫を亡くしており暮らし向きが厳しくなっていました。彼女は特に「2度目のハンコ代」をあてにしていたので、「争族」をこじらせる大きな要因になりました。つまり、登場人物全員が何らかの勝手な期待を抱いていた結果、皆が「こんなはずではなかった」という感情に至ってしまったことが「争族」につながったのです。

 

最終的に、良一さんの手元に残っていたわずかなお金を3人の妹たちに支払うことで、なんとか問題を収めることができました。しかし、兄妹の間には消えることのない深い遺恨ができてしまったのです。

 

お母さまも、「遺言を遺す」という判断は正しかったのですが、遺留分に関する知識が無かったために、結局はトラブルの種を自らまいた形になってしまいました。つまりこの「争族」は、本来なら避けられたはずだったと、私は考えます。

 

執筆者登壇!<4/21(水)>無料WEBセミナー

コロナと相続で「モノ・カネ・家族」を失わない方法

親に「認知症の症状」…お金関係で困っているときはコチラ

 

■遺産が少なくても「争族」は起きてしまう

 

良一さんのご家族は、お父さまが亡くなった際の一次相続では、円満に解決したのに、お母さまの二次相続では泥沼の「争族」に発展してしまいました。

 

ここから、重要な事実がわかります。つまり、相続人となるお子さまたちの仲が良くても、お金に困っていなかったとしても、相続するべき財産がほとんどなくても、「争族」は起きる――ということです。

 

亡くなったお母さまの昌代さんは、生前に遺産相続について銀行に相談し、銀行で公正証書遺言を作ったのでした。遺言の内容が全財産を長男に相続させるものだと知った銀行は、明らかに「争族」になる可能性が高いとわかっていましたが、適当にアドバイスしただけでそのまま逃げてしまったのでしょう。

株式会社アレース・ファミリーオフィス 代表取締役
一般社団法人相続終活専門協会 代表理事 

大学卒業後、住友生命保険に入社。その後、英スタンダードチャータード銀行にて最年少シニアマネージャーとして活躍。2009年、経営者層の税務・法務・ 財務管理・資産運用を行う「アレース・ファミリーオフィス」を設立。以降、4000件以上の相続案件を手がけた「相続のプロ」。数多くの相続争い(争族) を経験するなかで、争族を避けるノウハウを確立。そうした知見を幅広く認知してもらう目的で「一般社団法人相続終活専門協会」を設立し、代表理事に就任。

著書『プロが教える 相続でモメないための本』(アスコム刊)などがある。

遺言相続.com(https://egonsouzoku.com/)

著者紹介

連載相続専門家が解説!泥沼トラブル事例7選

プロが教える 相続でモメないための本

プロが教える 相続でモメないための本

江幡 吉昭

アスコム

「財産が少ない」「家族はみんな仲がいい」 実は、こんな人ほど相続争いの当事者になりやすい。3000件の相続を手がけたプロが教える、相続をスムーズに進めるためのノウハウが満載。相続初心者のための相続のイロハも併せて…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧