「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。ウィステリア・グループ株式会社の代表である藤本好二氏は、書籍『不動産投資業者のリアル』(幻冬舎MC)にて、新築1R業者・客付仲介会社・管理会社・買取販売会社をはじめ、ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露している。黒幕は、スマートデイズか、スルガ銀行か。それとも…。

「億単位を借りられた」謎の慢心でサラリーマンは…

逆にいえば、足立区に建てられた物件についてはほぼすべて「失敗」だと私は考えています。

 

家賃相場が安い足立区で、駅から遠く、家賃の高いシェアハウスの需要はほとんどないからです。実際に、「かぼちゃの馬車」の物件のなかでも空室率の高いものは、足立区に集中しています。

 

そうした物件を買ってしまったというのは、ある部分では投資家としてきちんと物件の価値を判断する努力を怠ったということでもあります。不動産投資について学び、シミュレーションができれば、まず手を出さない物件でした。

 

「ついに銀行が億単位でお金を貸してくれるほど自分は立派になったのだ」というような過信もまた、判断をくもらせたのかもしれません。私のもとにも、そんなオーナーが何人か相談に来ましたが、できることは限られています。

 

とりあえず検討すべきは、自分でシェアハウスの経営を行い、利益を上げられるかどうかです。ウェブサイトなどを使って自ら集客し、管理まで手掛ける必要があり、経営努力とセンスが求められます。

 

家賃を相場に合わせる、共用部を広くリフォームするなどの対応を迫られる可能性もあり、難しいところです。社員寮などとして売り出したり、一括賃貸を打診したりする方法もありますが、はたして借り手がいるかどうかは未知数です。

 

確実に売るということを考えるなら、時間をかけて返済を続けつつ、更地価格まで残債が減ったら売却を行うという手段もあります。ただ、これはシェアハウスの赤字による自己負担が大きければなかなか実行できません。スルガ銀行の同意さえあれば、市場の相場で売却することは可能ですが、その場合、前述の通り大きな損失を覚悟せねばなりません。

 

■実録!「『かぼちゃの馬車』被害者」のリアル

 

私のもとには、「かぼちゃの馬車」で被害者となった投資家たちが、何人か訪れています。彼らは実際にどのような気持ちで投資に手を出し、どんな状況になっているのか。警鐘の意味を込め、具体的に紹介したいと思います。

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    藤本 好二

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