近視も老眼も治る「多焦点眼内レンズ」、医師厳選の5種を紹介

白内障手術では、近視や遠視、乱視、老眼までも改善することが可能です。手術時、「多焦点眼内レンズ」を選ぶことにより、眼鏡を使用することなく運転や読書、スポーツができるようになるのです。しかし、一口に多焦点眼内レンズといっても様々な製品があります。どれを選べばよいのでしょうか。年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香氏が解説する本連載。今回のテーマは「おすすめの多焦点眼内レンズ」です。※本記事は、アイケアクリニック院長の佐藤香氏の語り下ろしによるものです。

白内障手術の「眼内レンズ」、医師厳選の5つを紹介

実際に手術を行う眼科医として、私が最も得意とするものは白内障手術後です。本記事では、白内障手術のときに入れる眼内レンズについてお話したいと思います。

 

白内障については、以前の記事『【動画】白内障になる人とは?日本屈指の実力派ドクターが解説』やYouTubeの動画で詳しく説明していますので、まだご覧になっていない方はぜひ検索してみてくださいね。

 

白内障手術は、「目の若返り手術」ということもできます。濁ってしまった水晶体を取り除き、かわりに眼内レンズを入れることで目が新しく生まれ変わります。

 

このときどんなレンズを入れるかにより、術後の見え方が大きく変わるので、白内障手術において眼内レンズ選びはとても大切なポイントです。

 

一般に使用されるレンズは「単焦点眼内レンズ」といって、一箇所にしかピントが合わないため、手術後も眼鏡が必要になります。

 

しかし「多焦点眼内レンズ」というものを使うと、ピントの合うところがたくさんあるので、近視や遠視、老眼、さらに乱視まで改善できるので、眼鏡が不要になるんです。白内障になるよりももっと若いころ…より質の高い見え方を手に入れることができます。

 

本記事では、本物の多焦点眼内レンズをお見せしつつ、より詳しくご紹介していきたいと思います。

 

眼内レンズは、水晶体嚢(すいしょうたいのう)という袋のなかに入れるので、サイズとしては12mm前後しかありません。かなり小さいので、このように実際にレンズを見せつつ説明することは実際ありません。だからこそ、自分の目にどんなものを入れるのか、とても気になる方もいるのではないでしょうか。

 

今回は特別に、私がよく使っている眼内レンズから5種類をピックアップしましたので、しっかりお見せしたいと思います。

PC、スポーツ、夜間運転をする人におすすめ

まずは一つ目、「Acriva Trinova」という製品で、オランダの三焦点レンズです。特徴をあげると、見え方としては、近くなら大体40~50cmあたりのところにピントが合い、それより遠くの距離も連続的かつ良好に見えるレンズです。新聞や本を読む場合など、手元を見る機会の多い方には少々不向きですが、よくPCを使う方や、ゴルフやテニスなどのスポーツをする方におすすめです。また夜間のまぶしさを感じにくいレンズなので、夜間に運転する方にも非常に適しています。

 

三焦点レンズ「Acriva Trinova」
三焦点レンズ:「Acriva Trinova」

明るい場所でも暗い場所でも見える!読書家におすすめ

次にご紹介するのも三焦点レンズで、「ALSAFIT FOURIER(アルサフィット)」というドイツの製品です。先ほどのレンズと違い、近方を見るときはより近くの距離…大体35cmのところにピントが合うものです。暗いところでも明るいところでも、近くをしっかりと見ることができ、本や新聞を読むのに適したレンズと言われています。

 

ただ、中間や遠くの見え方に関しては、近くを見るときより少し劣ってしまうという点もあります。運転をあまりしない方におすすめです。

 

三焦点レンズ:「ALSAFIT FOURIER(アルサフィット)」
三焦点レンズ:「ALSAFIT FOURIER(アルサフィット)」

「色を綺麗に見分けたい」人に最適

3つ目にご紹介するレンズも三焦点のもので、「RayOne Triforcal(レイワントリフォーカル)」というイギリスの製品です。こちらは、近くだと、基本的に10cmくらいがよく見える距離で、本や新聞を読む方にお勧めのレンズになります。また、近くから遠くにかけても連続的かつ良好に見えるレンズなので、スポーツや昼間の運転をする方にも適しています。ほかにも、色を綺麗に見ることができるため、絵を描く方や、色の見え方にこだわるお仕事ををされている方にもおすすめです。

 

その分、他のレンズに比べ、夜のまぶしさを強く感じやすいというデメリットもあります。夜間の運転が多い方には不向きかなと思います。

 

三焦点レンズ:「RayOne Triforcal(レイワントリフォーカル)」
三焦点レンズ:「RayOne Triforcal(レイワントリフォーカル)」

若い人におすすめ!「ナチュラル」な見え方が魅力

4つめは「MINIWELL ready(ミニウェルレディー)」というイタリアの製品で、これまでのレンズとは異なり、焦点深度拡張眼内レンズという種類のものです。本や新聞を読むときの距離など、近くに関してはちょっと見えづらいんですね。しかし、50cmのところから遠方にかけて連続的にピントが合うというのがポイントなんです。

 

また、他のレンズと比較しても見え方の質がすごく良好で自然なんです。夜に運転する方や若い方におすすめのレンズです。

 

焦点深度拡張眼内レンズ:「MINIWELL ready(ミニウェルレディー)」
焦点深度拡張眼内レンズ:「MINIWELL ready(ミニウェルレディー)」

各多焦点眼内レンズの「いいとこどり」タイプ

最後は「FineVision Triumf(ファインビジョントリームフ)」というベルギーの製品で、種類としては、これまで説明した二焦レンズ、三焦点レンズ、焦点深度拡張型レンズを合わせた、いわばハイブリッドタイプのレンズになります。

 

近くは大体40cmくらいから見えて、そこから遠くにかけて連続的に見える設計なのですが、近くから遠くにいくにつれてどんどん見やすくなるという構造のため、近くよりも中間から遠方にかけての見え方が良好といわれています。

 

手元に関しては少し見えづらいこともあるますが、運転やスポーツをする方にはおすすめのレンズです。

 

「FineVision Triumf(ファインビジョントリームフ)」
「FineVision Triumf(ファインビジョントリームフ)」

 

以上、5つの多焦点眼内レンズをご説明しました。もちろん、本日お見せしたもの以外にも眼内レンズはたくさんあります。

 

【まとめ】5つの多焦点眼内レンズ、それぞれの特徴
【まとめ】5つの多焦点眼内レンズ、それぞれの特徴

 

よりクリアで快適な視界を手に入れるためには、豊富な選択肢のなかから、患者さんそれぞれのライフスタイルに合わせ、相談しながら決めていくことがポイントです。気になる方は一度眼科を受診してみて、ご自分にあうレンズを相談してみるとよいでしょう。
 

 

【動画/多焦点眼内レンズにはどんなものがあるの? 厳選した5種類を特別紹介

 

佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長

アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長 

集中力を要する緻密な作業を得意とし、特に最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。
まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。
日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケアー「トータルアイケア」の提供を目指す。
現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌などさまざまなメディアに取り上げられている。

http://cataract.eye-care-clinic.jp/

著者紹介

連載「目の病気予防」から「目の美容」まで!スゴ腕ドクターが徹底解説

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