建築会社の社長である父を尊敬していたはずの長男が、会社を継いだ途端に大暴走!? 本記事は、和田晢幸氏の著書『たった半年で次期社長を育てる方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

社長になった途端に「人格が変わる」タイプの人間

親は我が子について、何でも知っていると錯覚してしまいがちですが、むしろ距離が近すぎるからこそ見えないことが多いと考えるべきです。たとえそれまでの関係性がうまくいっていても、T氏のように立場が変われば人格が変わることもあるので、事業承継の際にはそれを慎重に見極めなければなりません。経営者としてどのようなタイプであるか、第三者の意見なども参考に分析する必要があるといえます。

 

職種タイプは同じで経営者タイプが違う場合、引き継ぎ後の経営方針が大きく変わることもよく起きます。今回のケースのように、自らと経営者タイプの異なる後継者に対し、後見型の事業承継を望むとするなら、経営権をある程度自分で保持して経営に対する影響力を残しておき、もし後継者が道を誤っても、自らの力で導けるようにしておくのが正解といえます。

 

引き継ぎマニュアルにのっとれば、まずは経営者タイプを冷静に見極めること。そして、「いい年になったから引退」ではなく、事業承継の5W2H(「Who(誰が)」、「Whom(誰に)」、「What(何を)」、「When by(いつまでに)」、「Why(なぜ)」、「How(どのように)」、「How much(どの範囲まで)」)を明確にしたうえで、きちんと引退のスケジュールを立て、どのようなペースで事業や人脈を継承していくのかというプランを練っておけば、より慎重に事業承継ができたはずです。

事例が教える5つの格言

その1:人は、立場によって人格が変わることがあると知るべし

 

その2:息子だからこそよけいに冷静に経営者タイプを判断すべし

 

その3:後見型では、権限は一時期にすべてを預けぬこと

 

その4:引退の時期をしっかり定め、スケジュールを立てるべし

 

その5:後継者のタイプを読み誤らぬよう、第三者の意見も参考にすべし

 

 

たった半年で次期社長を育てる方法

たった半年で次期社長を育てる方法

和田 哲幸

幻冬舎メディアコンサルティング

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