大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏は、顧客資産1660万円を12億5000万円まで増やしたアナリストです。同氏は日ごろどのように「儲かる株」を見極めているのでしょうか? ※本連載では書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋。過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や、投資に失敗する人の共通点、銘柄データのチェックポイントまで、「暴露話に近い」ノウハウを解説します。

人気金融商品の落とし穴〜高利回り外債

■外債に付きまとう為替変動リスク

 

決められた利息が定期的に受け取れ、なおかつ満期に達すれば額面全額が返済される債券。現在最も安全といわれているのは個人向け日本国債で、変動金利型10年満期、固定金利型5年満期、固定金利型3年満期、いずれも年利は2020年初め時点で0.05%となっています。

 

要するに安全性が高いほど金利は限りなく0に近いということで、確実に資産を守りたい人にとっては魅力的な金融商品であるといえます。

 

ただ海外の債券となると話は別。為替変動リスクがあるからです。

 

米国10年国債の利回りは2020年1月時点で1.7%と、日本国債よりも魅力的に見えますが、為替変動リスクを考慮すると慎重な吟味が必要です。現在世界的に低金利で、債券が異常に買われているバブルな状況です。そのなかでも利回りが高く、満期までの年限が長く、債券の格付けの低い金融商品が、各金融機関にて積極的に販売されています。

 

■高利息の甘い罠

 

高金利通貨として人気の高かったブラジルレアル債やトルコリラ債なども、積極的に販売されていた金融商品でしたが、対円での通貨下落により、高い利息がもらえているにもかかわらず、結局マイナスになってしまっている例もあります。

 

そもそも、日本との金利差分だけ毎年、その国の通貨価値は対円で下落していくことを理解しておく必要があります。

 

1年で10%の利回りが期待できるような外債は、1年後に為替が10%下がっていることが基本なのです。トータルでプラスマイナスゼロならいいほうで、場合によっては赤字になってしまう恐れがあることを知っておきましょう。利回り10%が保証されているなんていううまい金融商品はなく、結局のところは成長性を見極めて買う必要があるのです。

 

株であれば企業の頑張り次第であるように、国債であれば国の頑張り次第ということになります。高金利通貨はリスクが高いという認識の方は多いのですが、金利が高い分、値下がりしても大丈夫と考えてしまいがちです。その考え方自体が危険であることを覚えておいてください。

 

格付けが低い債券を保有していると、景気が悪化する局面でさらに格付けが下がり、債券の価値が暴落するリスクもあります。最悪デフォルトを起こす可能性もあるので、買う際には十分注意しましょう。

 

 

続きは明日(8/5)配信。

 

 

 

※本記事は書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』を抜粋したものです。

 

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原田 茂行

IFA/自由が丘財産コンサルタンツ合同事務所代表/一般社団法人シニアウェルスライフ協会代表理事

 

株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

原田 茂行

幻冬舎メディアコンサルティング

オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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