大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏は、顧客資産1660万円を12億5000万円まで増やしたアナリストです。同氏は日ごろどのように「儲かる株」を見極めているのでしょうか? ※本連載では書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋。過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や、投資に失敗する人の共通点、銘柄データのチェックポイントまで、「暴露話に近い」ノウハウを解説します。

「失われた10年」にも「儲けのチャンス」はあった

■随所にあった資産増幅のチャンス

 

持ちっぱなしは儲からないのがこの「失われた10年」だったわけですが、ではこの時代に資産を増やすことは不可能だったのかというと、決してそんなことはありません。タイミングさえ見極めれば、大きく資産を増やすチャンスが何回もありました。

 

投資で儲ける基本中の基本は、安く買って高く売ること。日経平均が1万4000円から2万円程度を行き来していたのですから、極端な話、1万4000円程度の相場で買い、2万円程度の相場で売れば、失われた10年の間に大きく資産を膨らますことができたのです。

 

とはいえ相場はナマモノですから、どこが底値でどこが天井なのか、正確に言い当てられる人はいません。レンジ相場で売り買いを仕込むタイミングを見極めるのは、たいへん難しいものです。

 

ただ、波の下方、つまり後退していく局面で買い、波の上方である上昇の局面で売ることを徹底すれば、比較的簡単に利益を出すことができます。具体的には、平成不況の場合、日経平均が高値のピークを過ぎて下りのカーブを描き始め、2割程度下がったところから買いを仕込んでいくのが良かったでしょう。

 

下がっても強気に買い続けることがポイントです。ずっと下がり続けるかもしれないという不安が付きまとうでしょうが、本当にそうなったら日本の経済は崩壊します。どこかのタイミングで経済対策が発動されることになるので、後退の局面では徹底して買っていくことが肝心です。

 

そして底値まで達し、折り返して上がり始めてきたら、次は売りのターン。底値から2割程度上がったら段階的にコツコツと売り始めるのが適切でしょう。

 

下げ相場とは逆で、上がったら一部を売り、さらに上がったらまた一部を売り、というスタイルを貫きます。これでいともあっさりと儲けを出すことができてしまいます。レンジ相場ならではの売買です。

 

しかし「言うは易し行うは難し」でして、実際に当時のようなレンジ相場のなかにあって、経済政策発動を信じて買い続けるには、豊富な経験とタフな精神力が必要となります。

 

また、たくさんの取引を重ねることになるので、豊かな資金力も必要となります。こまめに拾い過ぎると「弾切れ」を起こしてしまうことにもなりかねません。自身の余裕資金と相談しつつ、バランスを重視して売買のペース調整をしていくこととなります。

 

今後このようなレンジ相場が訪れるかどうかですが、昭和バブル崩壊後のような、異常な景況下で大きなバブルが弾けたあとにこのような事態と直面するかもしれません。それがいつになるかは定かではありませんが、景気が後退していく一方の時は、国がなんらかの経済政策を発動することになるはずです。そのような気配が感じ取れたら、買いを仕込んでいくタイミングではないでしょうか。

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    原田 茂行

    幻冬舎メディアコンサルティング

    オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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