「手術中に地震が来たら…?」患者の不安トップ5、医師が解答

「手術が必要です」と言われたとき、ほとんどの人が不安を感じます。手術が怖くて先延ばしにしてしまう人も珍しくありません。気になる点はしっかりと確認し、より安心した状態で手術に臨みましょう。年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香氏が解説する本連載。今回のテーマは「手術前の5つの不安」です。※本記事は、アイケアクリニック院長の佐藤香氏の語り下ろしによるものです。

痛そう、怖そう…誰もが感じる「手術の不安」

「手術」と聞くと、どういうイメージを持つでしょうか。痛そうとか、怖いと思う方がほとんどだと思います。

 

私は月300件もの白内障手術を行っているのですが、執刀医として直接患者さんから手術に対する不安の声を伺います。手術が必要ですよ、このように行いますよと説明したときや、実際に手術室に入ったときなど、様々な場面でお聞きしています。

 

手術する部分が「目」というのもありますし、手術自体が初めてという患者さんも結構多いんです。とにかく、強い不安をお持ちの方が多いんですね。本記事では、少しでもそれを解消できるよう、よく質問される「手術前の5つの不安」に答えていきたいと思います。

 

Q1:「目の手術」ってどれくらい痛いんですか…?

最も多く聞かれるのは、「痛み」についてです。やはり多くの方が不安に思うところなんですね。

 

でも、白内障手術に関しては心配無用です。事前に麻酔をかけるので、手術中に痛みを感じることはありません。また、麻酔と聞くと「針で刺されるんじゃないか」と心配する方もいらっしゃいますが、実は目薬で差すだけなんです。もちろんしっかりと効くので、手術中の痛みも防いでくれます。

 

ただ、稀なケースではありますが、手術の難度が高いときや、眼が大きい方(近視が強い方などが該当)など、通常より痛みを強く感じやすい場合もあるんですね。その際はさらに強い麻酔として、目の奥にも麻酔のお薬を入れることになります。といっても、この麻酔自体も痛いものではありませんし、もちろん麻酔効果も高まりますので、術中の痛みも改善できます。

 

痛みに対する不安が強い方はたくさんいらっしゃいますが、白内障手術ではまったく心配ないので、ご安心ください。

Q2:咳やくしゃみ…手術中に動いたらどうなる?

2番目によく聞かれるのは、「もし手術中に動いてしまったら、どうなるの?」という質問です。白内障手術は全身麻酔ではないので、手術中でも意識がしっかりした状態です。ことさら繊細な手術なので、事前に詳しい説明をするときには「術中は動いちゃダメですよ」「ゴホゴホと咳をしちゃダメですよ」などと結構厳しめに伝えているんですね。もちろん「咳が出そうになったら教えてくださいね」とも言うのですが、やはり患者さんとしては、いっそう不安に思ってしまうことが多いんです。

 

皆さんもよくおわかりだと思いますが、咳などはどうしても突然出るものですよね。それを事前に教えるとなると、なかなか難しいものがあるぞと不安になってしまいます。

 

ですが、実際には手術中のちょっとした身動ぎに関してはほとんど心配ありません。この点は執刀医のスキルがモノを言います。私の場合は両手とも使って手術を行うので、片手で押さえつつ、もう片手で手術を進めることが可能です。患者さんの目が動いてしまっても固定しながら行えるので、問題ありません。

 

ただ、主に利き手を使って手術をなさる先生だと、目を押さえながら…というのは少し難しいのではないかなと思います。やはり、術さの能力や、患者さんの動きの大きさによっては合併症に繋がることもあるので、それなりの注意も必要です。しかし基本的には問題ないと考えていただければと思います。

Q3:「まばたき」はしてもいい?

次によく聞かれる質問は「まばたき」に関してです。咳やくしゃみに関する不安と似ていますね。普段生活をしているとき、まばたきは自然と行っているもの。でも、手術中にまばたきしてしまったらどうしようとか、自力で目をぐっと開け続けていなきゃいけないのかなとか、結構不安に思う方が多いようです。

 

しかし、これに関してもまったく心配ありません。手術中は機械を使って目を開けることが可能です。頑張って目を見開く必要はありません。機械の力はあくまで優しいものではありますが、それでも自分でまばたきしたり目を閉じたりすることはできません。

 

ただ、目を片方だけ開くのはすごく難しいですよね。手術中、手術していないほうの目を閉じようとする方が多いのですが、そうすると閉じようとする力が強くかかってしまいます。また、目というのは、閉じると自然に上側に行ってしまいます。目が動くとやはり手術しづらくなってしまうので、必ず両目とも開けておくようにお願いしています。

 

手術していない側の目は、開けているうちに自然とまばたきが出てきますが、いつもどおりにしていただいて問題ありません。

 

もう一方の目は機械で開けていますので、普段通りの自然な状態で目を開けてもらったほうが手術がしやすいんです。なのでリラックスしていただければと思います。

Q4:手術中に地震が起きたら…?

次は、「手術中に地震が来たらどうするの? どうなるの?」という質問です。実際、東日本大震災のとき、その時間にちょうど手術を受けていた方が多くいらっしゃいました。なかには当時の体験談を語る方もいるのですが、それがかえって「自分の手術時にも同じことが起きたら…」と他の患者さんの不安をあおる結果になっています。

 

しかし、東日本大震災のときは、大きなものから小さなものを含めて、手術中のトラブルはありませんでした。

 

もし術中に地震が起きたとしても、目のなかに器具を入れている場合はすぐにサッと外して地震が収まるのを待ち、再開するということを繰り返すことで、合併症のリスクもなくしっかりと手術を終了させることができます。

 

滅多に起きることではなくても、手術中の地震に対して不安に思う必要はないかなと思います。

Q5:目に入れる手術器具が見えることはある?

最後に取り上げる質問は、「目のなかに入れる手術器具が見えることがある?」というものです。これは見える方と見えない方に分かれていて、前者だと、目のなかに入れている器具の動きがすべて認識できます。

 

一方、見えない方の場合だと、手術中、目に当てる強いが逆光となるので、まったく見えません。手術中、患者さんの目には強いフラッシュを当てるので、それが逆光となるためです。

 

見えない方に関しては全然問題ないのですが、実は、見えてしまう方だと手術がやりづらくなります。なぜかというと、器具が入る瞬間から動きまで細かくわかってしまうため、大なり小なり目が動いてしまうからです。

 

あまり目が動くようだと、手術時間が伸びることもあります。そうならないためにも、もし見えてしまった場合には器具の動きに注目したり追ったりせず、まっすぐ正面を見ていただければと思います。そのほうが最も安全に手術を進められますので、ちょっとだけ頑張ってくださいね。

不安解消のコツは「どんな些細なことでも相談」

白内障手術はたった10分で終わります。ただ短時間なだけでなく、安全かつ精度も高い手術なので、気楽に受けていただけるものです。

 

とはいえ、本日お話した内容以外にも、様々な不安があると思います。どんな些細なことでもしっかり確認することで、より安心した状態で手術当日を迎えることができるでしょう。一医師として、患者さんに寄り添う医療を提供していきたいと思いますので、ぜひご相談してくださいね。

 

【動画/ 手術前によく聞かれる5つの不安についてお答えします】

 

佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長

アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長 

集中力を要する緻密な作業を得意とし、特に最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。
まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。
日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケアー「トータルアイケア」の提供を目指す。
現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌などさまざまなメディアに取り上げられている。

http://cataract.eye-care-clinic.jp/

著者紹介

連載「目の病気予防」から「目の美容」まで!スゴ腕ドクターが徹底解説

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