そして、その価値を伝えるネーミングとパッケージにすることにより、お客様に喜ばれる商品になります。加えて、競合がひしめく市場で勝負することなく、独占市場で商売ができる利点もあります。
2019年11月に発売したこの商品、初回ロット4000本がわずか4か月で完売する大ヒットとなりました。
このように、その商品がせっかくもっている強みが表現しきれていないケースは決して少なくありません。角度を変えて、新しい価値を訴求する方法を見つけましょう。見つけたら、それをパッケージで表現するのです。
Case2:パッケージリニューアルで売上が6倍増に!
●北灘生活交流会 焼肉のたれ
2014年、北灘生活交流会(徳島県)から、私のもとに相談が来ました。30年間、同じパッケージで焼肉のたれを売っているものの、全然売れない。パッケージをリニューアルしたいので、相談に乗ってほしい、という主旨でした。
会長の松本隆子さん(当時81歳)が、「今はこんなパッケージで売ってるんじょ」と取り出したパッケージを見て、私はショックを受けました。「食欲減退色」の最高峰とされる「青」一色のデザインだったのです(【画像】「焼肉のたれ」、衝撃のビフォーアフター、参照)。
私は会長にヒアリングをしました。
「この焼肉のたれの特徴は何ですか?」
会長曰く「うまいんじょ」(徳島の方言で「おいしいですよ」という意味です)。
しかし、「おいしい」というだけでは売り文句になりません。「ほかに特徴はありますか?」と聞くと「食べてもらったらわかるんじょ」と返ってきます。しかし、食べてもらう以前に、買っていただけないから困っているわけです
そこで私は「生産者の思いを伝える」という方法を提案しました。
「30年前、会長はなぜこの商品を発売しようと思ったのですか?」
「わしの孫がな、小さいときにな、『今夜は焼肉じゃ、おばあちゃんのたれで焼肉
じゃ』って叫んだんじょ」