「借地権付き不動産」のメリット、デメリット
〈借地権付き不動産のメリット〉
〇安く購入できる
〇土地にかかる固定資産税・都市計画税がかからない
土地所有者から土地を買い取ることができれば、安価で取得できるまず、借地権付き不動産が安く購入できる理由は、資産価値が低いためである。土地の所有にこだわらなければ、安く購入できるため収益性は高い。また、土地を所有しなければ土地にかかる税金も不要で支出も抑えられる。
借地権は、最初に説明した通り、土地所有者にとっては不利な権利制度だ。借地権付きの土地を所有していてもあまりメリットがないため、土地の所有権を売却したいと考えるケースもある。土地の所有権だけを売るといっても買い手を見つけるのは容易ではないため、借地権者には、市場よりも安い金額で買う提案ができる可能性もあるというわけだ。
借地権付き不動産のメリットは、一言でいうと収益性が高いことだが、その分、所有していないゆえのデメリットもある。
〈借地権付き不動産のデメリット〉
〇毎月の地代がかかる
〇建て替え承諾料や条件変更承諾料などが必要
〇更新料が必要
〇金融機関から融資を受けにくい
土地を借りているのだから、当然その対価として毎月地代を支払わなくてはいけない。だが、この地代は、所有権の取得と比較すると、かなり安いことが多い。更新料は、基本的に20年以上契約する場合にかかる。更新料の他に、各種の変更をする場合、購入後建て替えをするケース、コンバージョンなどでアパートを店舗や旅館に変更するなどの条件変更の際に承諾料が必要となる。
最もネックとなるのは融資の問題だ。借地権付き不動産は資産価値が低いため、安く購入できる半面、金融機関からの資産評価(担保評価)も低いため融資を受けにくい。収益性は高いが、当然、「自己資金ゼロ」で購入できる不動産ではないのだ。
永井ゆかり
「家主と地主」編集長
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