
ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。
騙す奴が悪いのか、騙される奴が悪いのか
そうであれば、ウェブマーケティングを業者に依頼するクライアントがその実態を知り、賢く付き合うべきです。一度痛い目に遭った人は同じことを繰り返さないでしょうが、ネット広告が当たり前になってきて「初めてウェブマーケティングというものをやってみた」というケースがこれからさらに増えていくでしょう。しかし手数料や制作費が安いからと飛びついて、ビジネスが成功した広告主はまず見たことがありません。

業界の側にも、それなりに事情はあります。仕事の依頼はたくさんあるのに人手が足りず、特にきちんと運用ができるスキルを備えた人材が圧倒的に不足してしまっています。しかしそれをクライアントへの言い訳にすることはできません。
この現状に警鐘を鳴らし続けていかなければならないと私は考えています。また一方では、この3年間で新たなウェブマーケティングのトレンドや効果的な手法も出てきています。そこで前回の文章を加筆修正して改訂版を発刊することにしました。
本当のウェブマーケティングとはどういうものか。ダメな事業者、ダメな担当者をいかにして見分けるか。その秘訣をこの1冊に凝縮させました。ウェブマーケティングの最終目的は、クリック数や商品・企業名の露出を増やすことではなく、売上を伸ばして利益を増やし、企業を発展させることです。ツボを押さえたウェブマーケティングを実践すれば、導入後わずか1カ月で商品の売上が2倍、3倍になる例も珍しくありません。
後藤 晴伸
後藤ブランド 社長