無限の可能性を秘めている発達障害の子どもたちは、現代の学校教育の場では生きづらさを感じている場合があります。発達障害の個性が武器になるか、障害とされるかは、所属する社会環境に左右されるといえるのです。※当記事は、2018年12月4日刊行の書籍『「発達障害」という個性 AI時代に輝く――突出した才能をもつ子どもたち』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

なぜ、今「児童発達支援事業」が求められているのか…
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発達障害の子どもの「個性」は環境によって左右される

限りない可能性を秘めている発達障害の子どもたちですが、現代の学校教育の場では生きづらさを感じている場合が少なくありません。発達障害の個性が武器になるか、障害とされてしまうのかは、所属する社会環境に左右されます。

 

文字がない時代であれば、文字の読み書きが苦手という学習障害は「障害」になりえませんでした。また、すべての人が等しく算数を学ぶことが義務づけられている社会でなければ、計算ができないという特性を持っていたとしても、「障害」にはなりません。

 

あるいは、人類が狩猟生活をしていたころであれば、ADHDの人間は有能な狩人だったことでしょう。絶えず新たな獲物がいないか、あちこちに注意を向け、チャンスとなれば、危険を顧みずに先頭を切って飛び込んで行く。現代日本では、注意力散漫といわれたり、空気が読めないといわれたりする特性が、狩猟生活では重宝される才能だったわけです。

 

今の子どもたちが大人になるころ、社会環境はどのように変わっているでしょう。

 

おそらく、科学技術がさらに発達し、AIやロボットの開発が進んで、求められる人材も従来とは様変わりしているはずです。単純作業はどんどんロボットに取って代わられ、AIによって行われる仕事も大幅に増えていることでしょう。

 

そんな社会で人間に求められるのは、知識を組み合わせて新しいものを生み出すことです。自分の興味のあることにこだわってそれをとことん究められたり、時代の波に乗り遅れないようなスピード感をもって行動できたり。今まで「障害」とされてきたような発達障害の特性が、社会に必要とされる「才能」になり得る時代がやってくるのです。

 

ヌケ
発達障害の特性が、社会に必要とされる「才能」になり得る時代がやってくる

 

これからの時代を生きる発達障害の子どもたちが、自分の特性を伸ばして武器にできるようにするためには、教育のあり方も変わっていかなければなりません。

すべての科目で「平均点クリア」をよしとする現代教育

その一方で、教育学者R・H・リーブス博士の著した「動物学校」という寓話があります。

 

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    本連載は、2018年12月4日刊行の書籍『「発達障害」という個性 AI時代に輝く――突出した才能をもつ子どもたち』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    「発達障害」という個性 AI時代に輝く──突出した才能をもつ子どもたち

    「発達障害」という個性 AI時代に輝く──突出した才能をもつ子どもたち

    大坪 信之

    幻冬舎メディアコンサルティング

    近年増加している「発達障害」の子どもたち。 2007年から2017年の10年の間に、7.87倍にまで増加しています。 メディアによって身近な言葉になりつつも、まだ深く理解を得られたとは言い難く、彼らを取り巻く環境も改善した…

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