19日に新シリーズが始まった堺雅人主演『半沢直樹』。初回視聴率が22.0%と驚異的な数値を叩きだすなど、いまだ世間の「半沢熱」の高さには目を見張るものがある。2ndシーズンは銀行 VS 証券が主としたテーマになっているが、実際の証券株式会社の裏側は『半沢直樹』よりも熾烈かつ壮絶だ。大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏の書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋してお届けする。

新規開拓より「既存顧客にとにかく買わせる」悪習が…

一方の顧客は、取引が増えれば増えるほど、手数料が差し引かれていくことになります。営業員の言いなりになって、こんなことばかり繰り返していたら、顧客の資産はみるみる擦り減っていくでしょう。

 

取引を増やすのであれば、顧客に入金してもらい、新しい投資をスタートさせればいいのですが、そう易々と顧客もニューマネーを投入する気にはなれません。たいした投資成績を出せていなければなおのことです。

 

証券会社が新規開拓に力を入れればいい話なのかもしれませんが、新しい顧客を確保するのは並大抵のことではありません。そこに期待するよりは、今いる顧客を相手に取引をしたほうが確実にノルマを達成できるので、営業員は既存の顧客に片っ端から声を掛けるわけです。この時、営業員は顧客の儲けはほとんど考慮に入れず、ノルマのことで頭がいっぱいのことでしょう。

 

証券会社に蔓延するこのような体質は、前述したダマ転をしていた頃となんら変わっていません。結果、なんでも言うことを聞いてくれる顧客ほど、莫大な損失を抱えてしまうのです。

 

■実は売れ筋を売っているだけ

 

証券会社だと儲からない理由のもう一つとして、旬な商品しか勧めない点も挙げられます。金融に限らずどんな商品でも、誰もが興味を持つような話題性の高いものを販売すれば、相応の反響が期待できることでしょう。

 

しかしそれらの商品というのは、人気になっている時点でプレミアが付いていると考えることができます。つまり、本来であれば100の価値のものが、110や120になって売られている可能性があるわけです。割高感があり、この時点で買った人が大きな利益を出せる見込みは低くなります。

 

実際私が証券会社に勤めていた頃を振り返ってみても、プレミアが付いた人気商品を購入した顧客の大多数が、結果的に損をしていたはずです。

 

いちばん成績のいい証券会社の営業員、言い換えるならたくさん取引を成立させている営業員というのは、トレンド追求型です。いま最もホットで旬な商品に飛びつき、売買を激しく繰り返します。

 

次ページ結局、きちんと得をしていた顧客などほんの一握り
株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

原田 茂行

幻冬舎メディアコンサルティング

オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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