19日に新シリーズが始まった堺雅人主演『半沢直樹』。初回視聴率が22.0%と驚異的な数値を叩きだすなど、いまだ世間の「半沢熱」の高さには目を見張るものがある。2ndシーズンは銀行 VS 証券が主としたテーマになっているが、実際の証券株式会社の裏側は『半沢直樹』よりも熾烈かつ壮絶だ。大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏の書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋してお届けする。

違法行為「仕切り営業」まかり通っていた時代があった

ある先輩は月初に1カ月分のノルマを達成したあと、無断で休みを1カ月取り米国へ旅立ってしまいました。戻ってきたときはさすがに課長代理が怒鳴りつけていましたが、支店長は黙認していたのを覚えています。証券会社では、多少素行が悪くとも、結果さえ出せていれば、何をやっても許されるような面があったのです。

 

ただなかには営業成績を上げるためなら手段を選ばず、顧客のことをいっさい考えないで取引を提案する人もいました。ここは証券会社の闇の部分といっていいでしょう。

 

■本当にあった違法手口

 

私が実際に見聞きした、証券会社のあくどい、それこそ犯罪に限りなく近い違法な手口を紹介しておきましょう。正真正銘、ここだけの話です。

 

私が社会人になりたての1992年にはすでになくなっていましたが、以前は「仕切り営業」と呼ばれる営業方法が存在していました。

 

支店長が朝方に株式部へ電話をし、例えば○自動車の株を10万株購入します。まだ顧客がついていない状態で、です。そしてその買い手が決まっていない10万株を、1人1万株ずつノルマとして営業員たちに課し、各自が抱える顧客へ売る方法が仕切り営業です。

 

これはまさしく違法行為。しかしまかり通っていた時代があったのだそうです。

 

もしこの○自動車が買った値段より上昇すれば、簡単に売ることができます。なぜなら「今7300円の値がついている○自動車ですが、うちなら7200円で買えますよ」というようなセールストークで販売ができるからです。逆に買った値段より下がっていたとしても、なんでも言うことを聞いてくれる顧客にお勧めし、買ってもらうようにします。

 

その日のうちにすべて販売しなければならないので、みんな必死になって営業していたのだとか。

 

さらにそのような切羽詰まったノルマが、いよいよ達成できない状況にまで追い込まれると、今度は「ダマ転」をする者も現れたそうです。ダマ転とはつまり黙って転売。顧客に黙ってこっそりと、顧客の保有している株式を売買する手口です。

 

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株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

原田 茂行

幻冬舎メディアコンサルティング

オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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