消費者はスーパーに行かず、街のカレーショップを訪ねるかもしれません。たとえスーパーに寄ってくれたとしても、他社のカレールウを買うかもしれません。そう、あなたの会社のカレールウが選ばれるとは限らないのです。カレー欲を増進させるところまではよかったのですが、残念ながら必ずしも自社商品の購入にはつながらないのです。
オグルヴィの言うように「消費者はパッケージで商品を覚える」のです。「バーモントカレー」なのか「ジャワカレー」なのか、きちんと消費者にわかってもらうことが大切なのです。
仮にスーパーの棚に並ぶカレールウがすべて統一された透明のパッケージで売られていたら、どのメーカーの何という商品かわからず、味の特徴もわかりませんね。つまり「どれも変わらない」ということになってしまうのです。パッケージがいかに重要か、おわかりいただけたことと思います。
アメリカのマーケティング用語に、「パッケージはモノ言わぬセールスマン」という言葉があります。ネーミングだけでなく、キャッチコピーや人に訴えかけるデザイン、形状などが、消費者に商品をセールスしてくれるという意味です。しかも24時間365日休みなくセールスしてくれます。非常に優秀なセールスマンです。
会社で営業マンを雇うとなれば、給与をはじめ交通費、接待費などいろいろと固定費がかかります。しかも、雇ったからといって必ず売上が増えるとは限りません。モノ言わぬセールスマンとして、パッケージに投資することを考えても損はないと思います。
松浦 陽司
株式会社パッケージ松浦 代表取締役社長