大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏は、「証券会社を信用してはいけない」と明言しています。背景に潜む悲劇とは一体? 本連載では、『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋。過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や、投資に失敗する人の共通点、銘柄データのチェックポイントまで、「暴露話に近い」ノウハウを解説していきます。

順当だった日興時代。しかしパリバショックが起き…

■日興・野村の実態~得意分野で勝負できた日興時代

 

うつ病で1週間会社を休んでいる間、経済誌に日興証券のFA(ファイナンシャルアドバイザー)募集の広告が載っているのを見つけ、話を聞きに行きました。

 

募集をかけていた支店へ行くと、さっそく応接室に通されFA課長と面接がスタート。私がライバルの大和証券の現役営業課長であることを知るやいなや支店長が飛んできて、すぐにでも来てほしいという勧誘を受けました。その場で形式的な試験を受けると、入社が決まりました。

 

大和証券を2004年6月末に辞め、日興証券へは8月の入社。図らずもできた1カ月ほどの長期休みは学生以来でした。旅行へ行き、ジムに通い、映画を観に行き、パソコン教室にも通いました。夢のような1カ月、12年間のサラリーマン生活の垢を落とすような充実の毎日を送れました。気持ちを完全リセットして、FAとしての新しい仕事に携わることができたのです。

 

2004年当時の日興証券は日興コーディアル証券という社名で、米金融大手シティグループの系列。外資系だからか社内の雰囲気はドライで洗練された印象で、体育会系の大和証券とは対照的でした。

 

私が所属することになったFA課は営業員がすべて契約社員で歩合制、商品が売れれば売れるほど稼ぎが増える仕組みになっていました。

 

株式、債券、投資信託はもちろんのこと、通貨オプションや金利スワップなどのデリバティブや保険の販売もすることができ、金融商品であれば何を売ってもよいという自由な職場でした。会社全体で販売している投資信託や債券の販売目標はあったものの、正社員のような必達ノルマはありませんでした。

 

日興証券に入社してから、私は「推し」にしていた株を中心にお客さまに勧める営業を行いました。扱う銘柄の大半が得意としている小型の新興株でした。当時は東証マザーズを中心とした新興株市場が活況を呈していて、私の販売成績も上々といったところでした。

 

■窮屈だった野村時代

 

2007年夏にパリバショックが発生、そこからリーマンショックに向けてひたすら相場は下落を続けました。このあたりの詳しい経緯はあとの講座で触れます。

 

金融業界だけでなくあらゆる産業が冷え込み、収入減少やリストラなど負の社会現象を次々と巻き起こしました。日興証券も当然の如くあおりを受け、金融危機真っ只中の2008年12月、早期希望退職の募集がありました。

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    幻冬舎メディアコンサルティング

    オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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