『Amazon Prime Video(アマゾンプライム・ビデオ)』『Netflix(ネットフリックス)』をはじめとしたサブスクリプション(=サブスク)を活用している人は多いことだろう。有料動画配信サービスに倣い、大手企業がこぞってサブスクを始めているが、解約率の高さに頭を抱えるケースも少なくない。そんなときに活躍するのが、チャットボットを解約ページに置き、その原因をヒアリングするシステムだ。本記事では、株式会社Macbee Planetエヴァンジェリスト・佐野敏哉氏の書籍『解約新書 マーケッターに捧げる解約の真実と処方箋』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、チャットボットを導入したFODを例に解説していく。

チャットボットで判明した会員の正直な本音

◆解約理由を見ていくだけでも面白い

 

FODでは、解約する理由について「もしよかったら教えてください」と聞いて自由記入してもらうとかなり多くの回答が寄せられます。自社のサービスがどう思われているのか、生の声が聞ける貴重な機会となっています。答える必要がないのにこれだけ書いてくれるのは、チャットボットに対する共通した反応です。第三者が見ているだけでもなかなか面白い反応が多いので、その一部を紹介します。

 

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ライフイベントについての回答を見ると、今の世の中のありようが見えてきます。またこんな回答もありました。

 

「これから忙しくなるし、見ているといつも寝不足になってしまう」

「死にたくなったから」

「先週末に孫が生まれて、忙しくなりそうなので」

「疲れやすくなって、夜すぐ寝てしまうようになった」

「出世して、そんな場合ではなくなってきた」

「楽しくてずっと見てしまう」

「ほっといてください」

 

自由記入した人の中では、辛辣な言葉を発言する人もいます。年齢層や利用状況とも照らし合わせて、なぜこういう回答になったのかを分析したいと考えています。

 

一方では「最近、体質が変わって疲れやすくなり作品を見る時間が取れなくなってしまいました。体調管理をして、健康になったらまた登録したいです」といった丁寧な回答も時々いただきます。長文で事細かに説明をしてくれた方には、AIできちんとしたお礼を自動応答できるしくみも用意したいと思っています。

次ページモニターよりも純粋なマーケティング調査ができる