大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏は、「証券会社を信用してはいけない」と明言しています。背景に潜む悲劇とは一体? 本連載では、『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋。過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や、投資に失敗する人の共通点、銘柄データのチェックポイントまで、「暴露話に近い」ノウハウを解説していきます。

政府公認の「高額納税者リスト」を乱用していた…

新規顧客が取れるなら方法はなんでもよく、各営業員の判断に委ねられていました。私は当初3カ月くらいは飛び込み営業にチャレンジしていましたが、まったく箸にも棒にもかからないようなありさまで、「どうせ断られるんだろう」と一件一件訪問するのが苦痛で仕方がありませんでした。

 

このままでは成果ゼロのまま、会社を去ることになってしまう。飛び込み営業に見切りをつけ、電話営業へと切り替えました。電話口でいくら断られようと、不思議と電話での営業は苦痛を感じませんでした。いちいちへこまずに済む分、たくさん営業をこなすことができ、自然とお客さまが付くようになりました。

 

電話で口を利いてくれた人や、株に興味を持っていそうな人がいたらアポが取れなくてもとりあえず会いに行き、少しでも話ができれば見込み客として継続して連絡を取りました。

 

営業先は、当時政府公認で公開されていた高額納税者リストを参考にしました。いくら納税しているのか丸分かりで、住所や電話番号も書かれていて、今思えばとんでもない一覧です。これを使った営業というのが、証券会社や不動産会社や保険会社などで当たり前のように行われていたのです。ちなみにこの高額納税者リストの公開(正式名は高額納税者公示制度)は2005年に廃止になっています。

 

電話帳も使っていました。経営者や士業など、資産をたくさん保有していそうなところに片っ端から電話をかけていくローラー作戦です。

 

ノルマとして課せられる、毎月販売しなければいけない金融商品としては、投資信託と債券がだいたい2本ずつ。新規開拓して獲得した顧客にこれらを買ってもらうよう営業をかけます。支店ごとに山のような販売ノルマがあり、それを各課に割り振り、さらに課に属する社員へと振っていきます。割り当てられる商品の額は入社年数や役職によって決まり、例えば3年目くらいなら一つの商品につき1000万円くらいになります。

 

もし自分の担当を売り切れなければ、ほかの誰かが穴埋めしなければいけません。みんな必死になって、自分の抱える顧客に営業していました。

 

■転換社債の大量発行ノルマ地獄

 

ノルマの一つとして、この頃証券会社がよく販売していたのが転換社債です。

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    原田 茂行

    幻冬舎メディアコンサルティング

    オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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