
まぶたが勝手にピクピクと動いた経験がある人は意外と少なくありません。時間が経てば収まるため、医療機関にかかることなく放置される場合が多い症状ですが、実は病気の一つです。重症になると目が開けられなくなったり、まばたきができなくなることもあります。万が一重症化してしまったときに備え、治療法を知っておきましょう。年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香氏が「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」を解説します。※本記事は、アイケアクリニック院長の佐藤香氏の語り下ろしによるものです。
疲れ目?ストレス?「ピクピクまぶた」の原因
まぶたがピクピクした経験のある方は結構多いのではないでしょうか。私もたまにピクピク、ピクピク…と動いてしまって、気になります。
これは「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」といい、目の周りの筋肉がけいれんして目が開けにくくなる病気の一つです。ただピクピクするだけでなく、光がまぶしく感じられたり、まばたきの回数が増えたりなど、様々な症状が現れます。

原因ははっきりしていません。軽度の眼瞼痙攣(がんけんけいれん)であれば、目の疲れやストレスが原因となって発症することがあります。こういった場合は眼精疲労用の目薬で改善することができます。また、ドライアイが原因で発症することもあり、その場合もドライアイ用の目薬を使って改善することが可能です。
重度の場合は「ボトックス注射」が必要
上記のような軽度な症状とは異なり、ピクピクして目が開けられなくなったり、まばたきができなくなったりなどの重い症状が現れることもあります。このような場合は「ボトックス治療」が必要になります。
ボトックス治療とは、ピクピクしてしまっている筋肉にボトックス注射を打つことにより、筋肉の痙攣を改善する治療です。直接お注射を打つので、5分程度で終わる簡単な治療です。
直接注射すると聞くとすぐに効果が出そうな感じがしますが、実際のところ、効果が出るまで大体2週間ほどかかります。2週間めあたりから効果が出始めて、約1ヵ月ほどで効果が安定し、症状が改善されるという流れです。

効果が安定すればもちろんスムーズにまばたきを行えるようになるのですが、注射の効果はおよそ数ヵ月ぐらいです。
効果が切れた後はまたまぶたのピクピクが再発し、まばたきが多くなったり、目が開けにくくなったりした場合は再度ボトックス治療を行うことになります。
ちなみに、このボトックス治療は医師であれば誰でもできるというわけではありません。きちんと資格を持っている医師しか行えない治療です。
もし今まぶたがピクピクして悩んでいるという方は一度眼科を受診し、相談することをおすすめします。
【動画/スゴ腕ドクターが解説! 「まぶたのピクピク」その原因と治療法とは?】
佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長