同じエリアに一つの物件しか買わない理由
物件選びのポイント(3)同じエリアに二つ買わない
私は、不動産物件はほれ込んだものしか買いません。
不動産物件は、その場所にあるたった一つだけ。同じものは二つとないのです。同じ人は二人といない、人間との出会いと同じような魅力を私は感じています。
たとえて言えば、物件の概要書はお見合い写真のようなものかもしれません。写真を見て「いいな」「見てみたいな」と思ったら実際に足を運ぶ。
そして、好きな女性と初めてデートするときのように、会うのを楽しみにドキドキワクワクしながら見にいくのです。
そのため、これまでに見に行ったことがある物件は、今考えても「あそこはこうだった」「この物件はあんなだった」と、すべて覚えています。
とはいえ、物件は建売住宅のように同じものがあり得ます。
また、建物は古くなったら建て替えたり壊したりしいなければなりません。
そういう意味でも、物件を選ぶとき私は「エリア・立地」という土地を重視しているといえるでしょう。
絶対に選ばないのは、津波、地震、液状化や浸水など、災害の危険性がある地域です。また私は、一つのエリアには一つの物件しか保有しません。いくら良い物件でも、銀座にビルを二つ買いたいとは思わないのです。
セミナーなどでこの話をすると「銀座の女は一人だけってことですか」とからかわれますが、感覚的には近いものがあります。
そうして、さまざまな地域で保有することで結果的にリスク分散になっているのです。
物件選びのポイント(4)利回りなど、自分なりの基準を決める
私の場合、都心だったら利回りは6%以上のものと決めています。
自分なりの基準に合わないものは、物件の概要を確認した時点で候補から除外できますから、ムダに迷うことがありません。
また、建物については原則として、1981年(昭和56年6月1日以後)に施行された「新耐震基準」以降のものを選びます。それ以前の物件は、なかなか売れないため利回りがいいものが多いのですが、そこに惑わされてはいけません。
「新耐震基準」前の古い建物は、銀行から融資が受けづらいため避けたほうがいいでしょう。
ただし、手持ち現金で買える物件で、どうしても欲しいものは、割り切って買うこともあります。残りものには福が多いこともあります。
また私は、土地の資産性の比重が高いものを選ぶことにしていますが、契約する際に建物比率が上がる物件を優先します。
なぜなら、物件比率を固定資産税の評価額按分よりも売主との合意により高くすることで、減価償却費を多く計上し、また消費税の還付金を多くすることもでき、節税につながるからです。
合意に応じていただけない場合は、土地、建物の金額を合計で記載し、消費税額は記載しません。合理的に建物金額を割り出して適用します。
合理的に割り出す方法としては、(1)土地から時価を割り出す、(2)建物から時価を割り出す、(3)不動産鑑定士に建物のギリギリ高い金額を出してもらう――があります。
鳥山 昌則
税理士法人とりやま財産経営 代表
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