病気を未然に防ぐ「栄養学」と「食品機能学」に加え、老化についても最前線の研究成果を紹介する。知らず知らずのうちにストレスをため込んでいませんか。健康的な生活を送るために役立つ「食事の知恵」や「医学の意外な常識」を明らかにします。本連載は東海大学農学部バイオサイエンス学科の永井竜児教授の『間違いだらけの栄養学』(辰巳出版)から一部を抜粋し、読んで効く「読むくすり」をお届けします。

生活習慣の中に隠された太るワナ

高コレステロールや高血糖が原因となる動脈硬化や糖尿病の合併症など、血管の病気は、病気の状態になる前の対策・予防医学が大事になります。

 

永井竜児著『間違いだらけの栄養学』(辰巳出版)
永井竜児著『間違いだらけの栄養学』(辰巳出版)

その代表が「適度な運動」と「食事」です。しかし適度な運動は忙しいビジネスパーソンになると、つづけることが難しい。ジムに行く時間もままならない方も多いでしょう。運動はカラダに良くても、時間がとれない人は、日常の活動に軽い運動を取り入れる、あるいは食事に頼るしかありませんが、忙しい方にかぎって、外食も多くなりがちです。外食が増えるとわかっていてもなかなか改善できないでいると、 40 代になるころから生活習慣病、糖尿病になってしまう確率がグンと上がります。

 

「去年と同じ食事なのになぜ今年になって急に糖尿病になったの?」という患者さんがよくいるそうです。その答えは「去年と変わらず、ふつうの生活をしていたから」なのです。なぜふつうの生活なのに、病気になってしまうのでしょうか?

 

年齢とともに、基礎代謝量は落ちていきます。基礎代謝量は、筋肉量の増加にともない上がるものですが、加齢とともに筋肉の量はふつう減っていきます。また、運動によって筋肉は増えていくものですから、ふだん運動していなければ筋肉はどうしても落ちていきます。ふだんのとおり食べていると、その分代謝されず、あまった栄養はカラダに脂肪となって付き、さらに血中の糖分は上がっていくわけです。筋肉が落ちて基礎代謝も落ちた分、それまでの食べ方を変えなくてはいけないことが、これでおわかりになるでしょう。

 

永井竜児

東海大学農学部教授

間違いだらけの栄養学

間違いだらけの栄養学

永井 竜児

辰巳出版

病気を未然に防ぐための栄養学と食品の機能に加え、老化についての最前線の研究成果をもとにしながら、日々の健康的な生活に役立つ食事の知恵や、栄養学と医学の意外な常識を明らかにする。 本書に書かれている健康づくりの…

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