株式投資を始める時、多くの方は「運用利回り」について考えます。そして老後資金のためであれば、「長期での平均利回り」を基準に投資判断をするでしょう。しかし株式投資の「期待運用利回り」を知っている人は意外と少数です。今回は「株式の長期と短期の運用利回り」について言及していきます。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

ウォーレン・バフェット「株主の手紙」のなかで…

東証一部の長期的な業績変化と配当利回りから、妥当と言える運用利回りが4~5%であると紹介しました。では、日本以外ではどうなのでしょうか? 世界一の株式投資家と言われるウォーレン・バフェットの利回りは、約20%と言われています。これは1965年から2017年までの運用成績を公表した「株主の手紙」の中に記されています。

 

これがどれだけ優秀なのか、調べてみます。

 

まず「株主の手紙」を詳しく見てみると、利回りが100%を超える年もありますが、マイナスの年もあります。また、バフェットの運用資産は何兆円という規模なので、米国の代表的な株式指標のダウ工業平均やS&P500と比べる必要もあるでしょう。1970年から2019年の株価から算出すると、ダウ工業平均とS&P500はともに、平均7%上昇していることになります。巨額の運用資産を、世界最大規模の株式指標の3倍近い利回りで運用している、ということです。多くの投資ファンドが株価指数と同じ程度の利回りでしか運用できない中、この成績は圧倒的です。

 

バフェットが天才と言われる所以が数字でも確認できました。しかし、この事実から長期の株式運用で利回りを計算すると、年率10%でも現実的ではないということになります。なぜなら、実際の多くの投資家は、日経平均やダウ工業平均よりも低い利回りしでしか運用できていないのですから。

短期なら「年利2倍以上」も可能?

日米の株式指標と世界一の投資家ウォーレン・バフェットの利回りから、長期の運用利回りでは、10%も稼げないことがわかりました。では、個人投資家が夢見るような資産倍増の資産運用は不可能なのでしょうか?

 

資産を1年で何倍にもする運用には、秘密があります。それは運用する資金量です。株式投資に詳しい方ならご存知と思いますが、東京証券取引所では東証一部のほかに、二部やマザーズ、ジャスダックなどの小型株市場が存在します。

 

毎日の株価上昇率ランキングなどを調べると、毎日何十社、多いときでは100社以上が10%以上の株価上昇をしています。こういった銘柄には仕手株と呼ばれる、業績に関係なく株価が乱高下するものも含まれていますが、中には成長の期待値に則って年間で数倍になる銘柄もあります。

 

そして、年間で株価が数倍にもなる銘柄の特徴として、時価総額が小さいということが上げられます。一般に時価総額300億円以下の銘柄なら、1年で数倍になるものが、毎年いくつも表れています。バフェットのように巨額の資金を運用する必要のない個人投資家なら、こういった銘柄に投資することで、100万円を数倍にすることは決して不可能ではないことがわかるでしょう。

 

もちろんリスクは高くなりますが、時価総額が小さく、急激な業績成長が期待できる銘柄を丁寧に調べて投資すれば、短期間で資産を2倍以上にすることは、十分可能なのです。

 

◆まとめ 

株式の運用利回りについて、日米の株式指標の長期上昇率から利回りを紹介しました。世界最高の投資家であるウォーレン・バフェットでも年率20%の運用利回りです。しかし、少額資金なら短期間で資産を数倍にすることも出来ます。自分の求める資産運用の特徴をよく考えて、目標を達成できるようにしてください。

 

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