自社の従業員に知人・元同僚を紹介してもらう採用手法、リファラル採用。運用は難しいものの、マッチング率の高さ、採用の生産性、採用費の観点でメリットを感じることが多く、ここ数年で多くの企業が導入・制度化しています。今回は、そんなリファラル採用を成功に導く方法について、解説します。

1つ事例を紹介します。【この記事の画像を見る】から確認できるように、2014年に面白法人カヤックが従業員に配布したのが、書類選考免除となる「ファストパス」、そしていきなり最終面接から選考が始まる「ラストパス」です。このような施策は、従業員が知人を誘った際の特別感を演出するものとなり、リファラル採用を活性化させる取り組みのひとつとして参考になるでしょう。

 

ほかにも、知人を食事に誘って自社を紹介しやすくするための「食事代補助」といった施策も有効です。単なる飲み会の費用として使われてしまわないよう、使い方についての事前説明は必要ですが、費用としては大きくないので試してみる価値はあるでしょう。

 

また、リファラル限定の「社員との小規模座談会」のようなものがあると、従業員は「こういう座談会があるから参加してみる?」と知人を誘いやすくなります。

 

知人からいきなり職務経歴書を受け取ることに抵抗を感じる場合もあるので、採用担当者は従業員が気持ちよく紹介できるように手を尽くしましょう。

 

⑤魅力を伝わりやすくする

採用担当者と違い、多くの従業員は自社の魅力を伝えることに慣れていません。彼らが自社のエバンジェリストとして十分に活躍できなければ、せっかく協力する気になってくれても残念な結果に終わってしまいます。

 

●自社にはどのような強み・魅力があるか

●それらを効果的に伝えられる具体的な事例や事実は何か

●どのような点に魅力を感じて入社してくる人たちがいるか

●人事制度や福利厚生にはどのようなものがあるか

 

これらを自社の採用ページ内で十分に紹介できていない場合は、自社の説明をサポートするツールが必要です。採用担当者は会社パンフレットを手渡すだけでなく、上記事項やよくある質問などをまとめたドキュメントを作成・共有するなどして、従業員が自社の魅力を伝えやすくする工夫をしましょう。

 

⑥紹介する側の安心感を高める

リファラル採用において、従業員は「せっかく紹介した知人が不合格になってしまわないだろうか」と不安になりやすいものです。このような心の機微に配慮し、たとえ不合格になっても何か得られるものがあったと思ってもらえるようにするのが採用担当者の務めです。

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採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

青田 努

ダイヤモンド社

採用のプロが明かす、欲しい人材を惹きつけ・見立て・辞退させない具体策。「候補者が思わず振り向く求人コピーのつくり方」「リファラル(社員紹介採用)を成功に導く7つの取り組み」「効果的な面接の進め方」「内定辞退を引…

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