自覚困難な『緑内障』の症状…「視野の欠け」を体験してみよう

次第に視野が欠け、失明に至る病気「緑内障(りょくないしょう)」。一度欠けた視野を回復させる方法はありません。しかし、手術により病気の進行を食い止め、見える範囲をキープすることが可能です。早期発見のためにはどうすればよいのでしょうか? 年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香氏が「緑内障」について解説。※本記事は、アイケアクリニック院長の佐藤香氏の語り下ろしによるものです。

緑内障とは「目の神経が減っていく」病気

私は大学病院の緑内障専門外来で手術していた経験があり、現在も多くの緑内障患者さんの診断・治療を行っています。そういった立場から緑内障についてわかりやすく説明していきたいと思います。本記事では緑内障の原因と診断を説明します。

 

まず、緑内障とは?というところから説明しましょう。みなさんにとって、緑内障は「眼圧が高い病気」というイメージが強いと思いますが、実はそうではないんです。緑内障というのは、基本的には「目の神経の病気」です。目の神経がダメージを受けることで、その神経と一致した視野が欠けてしまう病気です。神経が減ると視野がどんどん狭くなります。

見えないことを自覚できない!?誰にでもある『盲点』

視野の欠け(盲点)は誰にでも必ずあるものです。どのように見えるのか、まずは体験してみましょう。左目をふさぎ、右目の正面でテントウムシを見つめてください。テントウムシを見続けたままゆっくり写真に顔を近づけていくと、写真から20cmくらいの距離で、チョウが芝生に消えたように見えます。それが生まれながらに持っている視野の欠け(盲点)です。

 

 

見えない部分(盲点)は誰にでもあるものですが、普段は意識していませんよね。そのため、緑内障にかかって視野が欠けても初期では気がつかないのです。

 

視野の減り方は、周辺の視野からどんどん減っていくので、初期の場合では周辺視野がある程度欠けていても気がつきません。どんどん進行してきて最終的には中心の視野しか残っていないという状態になって初めて気がつくということもありますので、いまだに失明の原因となっている怖い病気のひとつです。

20人に1人が発症…40歳を過ぎたら年1回は検査を!

緑内障神経のダメージを起こす原因としてどういうものがあるかというと、ここで「眼圧」が影響してきます。ただ眼圧が高いから悪いというわけではありません。眼圧が高くても正常な方や、低くても正常な方もいます。その方にとっての眼圧が「どの数値が正常で、どの数値が異常か」というのを、検査して決めてあげることがすごく大切です。

 

緑内障になる原因にはいろいろなものがありますが、眼圧以外の原因としては、遺伝や薬の影響、先天性のものなどです。

 

緑内障は、疫学調査の結果だと40歳の方で5%…つまり20人に1人の割合で緑内障と診断されているということがわかりました。そのため、40歳を過ぎたら定期検査をすることがすごく大切です。会社の定期健診でもいいですし、人間ドッグでもいいです。40歳を過ぎたら必ず年に1回は検査しましょう。

視野異常が出る前から発見可能

では、診断をするにあたりどういう検査をするのかというと、まずは眼圧の検査です。その方にとって適切な眼圧を調べる必要があります。次に、緑内障は神経の病気なので、やはり神経を診る検査が必要です。目の断層写真を撮るだけでわかるOCTの検査となります。この写真で視神経の厚みや欠けている部分がわかるので、緑内障があるのかどうか、緑内障の症状がどれくらい出ているのかがわかります。あとは視野検査です。その方が見えている視野の検査…どういう範囲が見えていて、どういう範囲が見えていないのかを調べる検査です。これも緑内障の診断をするために大切です。

 

むかしは診断をするための検査機器がとても乏しく、視神経を診る検査などもなかったため、視野が欠けてから診断されていました。早期に見つけることがどうしてもむずかしく、進行してから見つかることが多かったのですが、いまは視野異常が出る前、さらに早い時期に診断することができますので、早期診断・早期治療が可能です。

 

 

視野を守りながら、見える範囲をしっかりキープしながら治療することが可能です。緑内障と診断されても、失明するのではないか…とそれほど不安に思う必要はないかなと思います。ただし、診断されましたら治療・検査がすごく大切になりますので、必ず通院するようにお願いします。

 

【動画/40歳以上の20人に1人はかかる!?視野が欠け、次第に失明してしまう緑内障】

 

佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長

 

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アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長 

集中力を要する緻密な作業を得意とし、特に最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。
まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。
日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケアー「トータルアイケア」の提供を目指す。
現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌などさまざまなメディアに取り上げられている。

http://cataract.eye-care-clinic.jp/

著者紹介

連載「目の病気予防」から「目の美容」まで!スゴ腕ドクターが徹底解説

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