コロナ感染拡大第2波が懸念される今、再度緊急事態宣言が発令されてしまえば、ようやく再開しつつある様々な経済活動がまたも停滞してしまう。この不況をどう生き抜くのか。本記事では、亡き夫の借金に苦しんだ妻の事例を紹介する。 ※この記事は、烏丸リアルマネジメント株式会社代表取締役・矢田倫基の書籍『住宅ローンが払えなくなったら読む本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

「代位弁済」が行われてしまうと、状況は一変する

「代位弁済」が行われてしまうと、状況は一変します。

 

債権は保証会社に移行し、交渉の窓口は保証会社もしくは債権回収部署になります。期限の利益喪失により、「全額一括返済」を求められることとなり、それができない場合には抵当権が設定されている自宅を処分して売却価額を返済に充てなければなりません。自宅の処分方法には競売と任意売却がありますが、債務者が何のアクションも起こさなければ、保証会社は自動的に競売の申し立てを行います。

 

この競売の申し立てが任意売却の成否を分ける大きなターニングポイントです。私の会社で扱った事例について統計を取ってみたところ、競売の申立前に任意売却の交渉を保証会社と行った場合、成功率は91%にのぼりました。ところが競売申立後になると成功率は68%にまで落ち込んでしまいます。

 

代位弁済後すぐに保証会社は競売に必要な資料集めや書類の作成に入ります。通常約1カ月でその作業を完了し、裁判所に競売の申し立てを行うのですが、債権者には競売に80万円くらいの費用もかかります。その前に交渉し任意売却したいと告げることで、申し立てを待ってもらえることが多いのです。

 

もし申し立てまでに猶予期間をもらえたら、十分な時間をかけて買い主を探せるため、任意売却の成功率は大きく高まります。

 

住宅ローンが払えなくなったら読む本

住宅ローンが払えなくなったら読む本

著者 矢田 倫基   監修 矢田 明日香

幻冬舎メディアコンサルティング

夢のマイホームを購入する際、多くの人が利用する住宅ローン。ローンを組む際は、通常、専門家のアドバイスを受けながら無理のない返済計画を立てますが、長い返済期間では何が起こるかわかりません。思わぬトラブルによって返…

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