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しかし、より大切なのは、資金繰り支援は財政政策との共同作業であるという認識でしょう。黒田日銀総裁は会合後の会見で特別プログラムの拡大は、第2次補正予算で無利子・無担保融資を中心とする特別融資制度の事業規模が28兆円強拡充されること、加えて、特別オペのオペ先が従来に比べて倍増すると説明しています。
なお、今回増額された特別プログラムのうち、新たな資金供給(適格融資の残高を限度に、共通担保で期間1年以内、利率0%で資金供給)の利用残高は、日銀の当座預金のうちのゼロ金利が適用されるマクロ加算残高に計上されることから、今後の推移に注目しています(図表2参照)。
最後に、「主な意見」で物価の項目を見ると、意見が5つ記載されています。全ての意見が、少なくとも短期的には物価が低下する可能性を指摘し、デフレを懸念する声も見られます。一方で、景気改善に伴い中長期的な物価上昇予想も見られます。物価動向への懸念は相対的に低いと見られ、当面の金融政策は、新型コロナ対策に向けた枠組みを柔軟に活用しての企業の資金繰り支援と金融市場安定が重視され、物価については当面見守る姿勢に留まると思われます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日銀の主な意見で、金融政策の再確認』を参照)。
(2020年6月24日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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