本記事では、収益物件の売買や仲介事業を展開する株式会社BRAVEの代表取締役・山部和孝氏が、同業だからこそ見えてくる不動産投資の実態について、投資家から寄せられた意見を取り上げながら解説していく。 ※本連載は、『投資会社トップが激白!業者が「投資家を騙す」30のワード 不動産業者のハナシは信用するな』(クロスメディア・パブリッシング)より一部を抜粋・編集したものです。

「自分は能力があるから」とド勘違いをした結果…

【Case:投資家として生きるなら専業?】

某不動産コンサルタントの個別相談サービスを受けたところ、「本気で投資家を目指すなら、脱サラをして、専業としてあらゆる時間を使って物件を探すべき」と言われた。確かに貯金もあるし、退職金も元手にできる。自ら退路を断って取り組むべきだとも思えるが、専業のデメリットはあるのか。

 

 

会社員の給与のような安定収入を得ることに馴れていると、「自分は能力があるから、何か新しいことに挑戦しても成功する」と勘違いをしてしまうことが少なくない。まだ転職や起業であれば、失敗しても再び会社員に戻れば取り返しが効く。だが、不動産投資はそう上手くいかない。なぜなら、物件を見つけても融資の審査で確実に承認が出るとは限らないからだ。

 

銀行が不動産融資の審査をする際には、

 

① 自己資金がどれくらいあるか

② 物件に収益性があり、どれくらいの担保力があるか

③ 借りる本人の属性はどうか

 

の3点は必ず確認する。

 

③は勤務先や勤続年数、年収、他の借入の有無や金額といったものだが、専業になると③がひっかかってくる。もちろん、現金で収益物件を購入できるなら、いきなり専業でスタートすることもできるだろうが、そうでない限りは専業ではじめるという選択肢自体がないと思った方がいい。会社員にとって、自分の与信は現在の勤務先あってのものと感謝こそすれ、自分ひとりで成功できるはずというのは勘違いも甚だしい。銀行は無職になったあなたのことを、評価なんてしませんから。

 

はじめは副業で不動産投資をするとして、専業を考えはじめるタイミングはいつか。それは年間の家賃収入が5,000万円を超えるようになってからだろう。5,000万円あれば、それまで融資を受けた分の返済や所有物件の経費を支払って、だいたい2,000万円程度は残る。

 

それくらいあれば、5億円くらいまでの物件は買い増しができるだろう。これで一人前。それくらいまで経験を積めば、専業としてさらに大きな儲けを求めて物件の売買を進める面白さがわかるというものだ。

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不動産業者のハナシは信用するな

不動産業者のハナシは信用するな

山部 和孝

クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

投資会社トップが激白!業者が「投資家を騙す」30のワード 「一度大きく投資したらあとは一生楽して儲けられます」 「不動産投資で不労所得を得た私を信じて、ノウハウ通りにやれば成功します!」 など、不動産業者・コン…

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